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【取材した怪談206】呪物部屋

シャーマン(霊能力及び関連器具を用いて心身、財産、人間関係などの悩みを解消する方々)のS氏によれば、呪物は霊体を呼び込むそうだ。

数年前のお盆時期、彼は知人宅に宿泊した。その際、「呪物が保管してある部屋で寝てほしい」と依頼された。要するに、場の浄化を頼まれたのだ。部屋はロフト付きの洋室で、呪物は木箱に納入されてロフトに保管されている。

「その部屋のベッドで寝ようとして、眠りに落ちそうになると、頭、腕、脚などを霊にトントンと触られるんです。複数の霊体に同時に触られるのが分かりました。あとはラップ現象ですね。壁から『ドン』とか『パン』っという音が聞こえてきたり」

就寝を中断して部屋でお祓いを実施したものの、呪物が存在するためにすぐに霊が寄ってくるため完全な浄化は困難だった。結局、S氏が床についてから眠りにつくまで四時間程度を要した。

なお、知人が保管していた呪物とは、高僧の木乃伊ミイラに巻かれていた包帯の一部だった。元々は山形県の寺院に保存されていた物品らしい。知人が譲り受けた詳細な経緯は不明だが、本話の取材時には既に返還済みとのことである。

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