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【人が怖い実話8】ネパールのガイド

20代のバーテンダーSさんの体験談。

彼はネパールに旅行中に、トレッキング(山頂を目指さずに、ヒマラヤの麓を街から街まで山歩きすること)をすることにした。トレッキング前に、街で見知らぬ現地の青年から英語で話しかけられた。

「ガイドしてやるから金よこせ、って言ってました。断りましたけど」

ネパールではガイドの声かけは日常茶飯事だそうだ。

Sさんは最初こそ英語で会話を交わしていたが、ガイドの青年がかなりしつこく食い下がり、次第にイライラが募っていった。そしてとうとう最後には、日本語で「しつこいな、要らねぇって言ってんだろッ」と怒声を浴びせた。

その後、山歩きを始めて10~20分ぐらい経ったころ。ふと後ろを見ると、さきほどのガイドの青年がSさんを睨みながら歩いている。

「そいつ、片方の手にレンガ持ってました。ブロックの塊のやつ。ずっと俺の後ろについてきてたみたいです。ダッシュで逃げました」


以降にその青年と遭遇することはなく、事なきを得たそうだ。

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