【取材した怪談198】小指
某アニメが大好きなC君は、そのアニメキャラクターのフィギュアを数多く所有している。棚に整然と並べた人形達を、しげしげと眺めるのが日課だ。
コレクションの中で特にお気に入りなのは、全長三十センチ程度のポリ塩化ビニル製の人形。細部まで精巧に作製されていて値が張る一品ということもあり、とても大切に扱っていた。
ある夜、自室のベッドで寝ているとぱちりと目が覚めた。目は開いているが身体を動かせない。ただそれ自体は以前にも何回か経験しており、それほど慌てはしなかった。
ところがその後