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取材した奇談

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心霊的・不可思議現象以外の、珍しい話、奇妙な話、人が怖い話などで、かつ取材した話です。
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2020年3月の記事一覧

【人が怖い実話6】新幹線の女

私が京都から品川まで新幹線に乗車したときの話。 自由席だったため、乗車時に空席を探した。3列シートの窓側に女性が座っていたので、その通路側に座ることにした。真ん中の座席も空いている状態だ。 窓側の女性は、20代後半くらいの三つ編みで眼鏡の女性である。学生のクラスでいえば風紀委員とか図書委員にいそうな、聡明で大人しげな雰囲気だ。 私は座る際に、念のため、「この席、空いてますか?」とその女性に尋ねた。すると女性は柔和な笑顔を見せ、「はい、どうぞ」と穏やかな口調で応じてくれた

【人が怖い実話5】ブラインド勧誘の女

ブラインド勧誘:本来の目的を告げずに面会の約束を取り付け、勧誘行為をすること。違法。特定商取引に関する法律第33条の2、第34条、第70条の3、1年以下の懲役又は200万円以下の罰金又はそれらの併科。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『あした品川まで来れますか? リアルホラーネタがあるのですが』 事の発端は、私に届いたLINEメッセージである。 送信者は、某交流会で知り合った独身女性A。 40歳くらいの自称(元?)看護師で投資家だ。痩せた狐のような風貌

【人が怖い実話4】退去後の点検

不動産管理会社で勤務経験がある孝弘さんが体験した話。 彼の業務のひとつに、賃貸者退去後の部屋の点検という作業があった。家具・家電付きの物件のため、それらが入居前と同じ状態であるか、室内に新たな物理的な瑕疵がないか、等を調査する業務である。 その日、彼は都内のひとり暮らし物件の退去後点検に訪れた。家賃5万前後の細長い間取りの典型的なワンルームだ。午後の時間帯だったが、部屋は薄暗く、しんと静まりかえっていた。 押入れの引き戸をがらがらと開けた瞬間、彼は思わず腰を抜かして尻餅