できることならスティードで Trip3「肉体」/加藤シゲアキ (読書感想文)

できることならスティードでの
文庫本が11月7日に発売された。

それに伴って
プレゼントキャンペーンがあるので
この機会に読了しようと思ったのでした。
つまり、私が読むのは
発売された文庫本ではなく
2年前に発売された単行本なのです。

文庫化にあたって
改稿されてる部分もあるみたいだけど
小説よりは変更も少ないらしいので
受け取る印象も
そう変わらないと思われるので
単行本の続きから読み進めていこうと
思う次第です。

さて、今回の旅は「肉体」がテーマ。
私が知らないトレーニング方法が
記されていた。

ファンクショナルトレーニングという
機能的なトレーニング。
同時にボイストレーニングも受けていた
シゲちゃんは
そのどちらからも
「連動」というフレーズを聞く。

ボイストレナーからは
まず喉の周りの筋肉の図を見せられたが
実際調整し始めたのは
腹部や背中の筋肉の
調整からだったらしい。

「声というのは口先から
 発せられるものではなく
 身体全体が連動して
 鳴るものなのだと実感した。」


確かに。
ボイストレーニングは
受けたことはないけれど
お芝居をしていた頃に会得した
腹式呼吸はまさにそれだ。
口先だけで話すのではなく
お腹を意識して
身体を楽器のようにして
声を出すことを学んでいた。
腹式呼吸で足りないとき
間に合わないときは
普通の呼吸も組み合わせたりして
台詞を話していたことを思い出す。

また、シゲちゃんは
キックボクシングを習っていたらしく
そこでも「連動」を意識することが
あったみたいだった。

パンチをするときは
足の拇指球や腰のあたりを意識して
キックのときは上半身を意識するらしい。

この部分を読んだときに
これまたお芝居をしていた頃のことを
思い出した。

お芝居はただ演じるというだけでなく
思い描いた通りに動くための
肉体が必要だと
劇団内で筋トレが
ハードになった時期があった。

稽古前にはロードワークをしていた。
大阪城公園の近くで
稽古場を借りていたので
歩道橋の階段を駆け上がり
駆け下り道路を越えて
大阪城公園内に入り走っていた。

走るのは下半身が鍛えられると
思われがちだが
意外と上半身の筋肉を使う。

走るためには
腕をふらないといけない。
腕をふることで
足が出る。
足が出ることで加速する。
そして腕をふる回数も増えていく。
さらに足が出ることで加速する。

まさに今回の旅で書かれている
「連動」というのを
体感していたなぁと思ったのでした。

このTrip3でも
歩くとき、走るときの連動について
書かれていた。

ファンクショナルトレーニングの
トレーナーさんは
ナチュラルであることが
もっとも美しいと仰っていて
それを端的に言うと
「円環」だと言う。

私が↑で書いた走るときの
腕の振りと足が出る関係性も
「円環」なのだなと思った。

円を描くことはできていなかったけど
近いことはしていた気がしました。

ボイストレーナーの方は
声の円を意識しろと仰っていたようで
声を放ち戻ってきたのをキャッチして
また声を放つことで
歌の波ができ
伝わりやすくなるようです。

確かに。
歌に限らず
台詞もそうだなあと思いました。
決まった台詞ではあるけれど
ひとつひとつの台詞が分離してしまっては
ただ台詞を言ってるだけになるし
相手の台詞に乗っかった感情を受け取って
自分の感情を乗っけて台詞を言わないと
どこか嘘くさくなったり
芝居が成り立っていないように感じる。
これは
お芝居の世界だけではなく
日常の会話にも言えることだけど
ちゃんと気持ちを乗せて話さないと
相手に伝わらないし
ちゃんと受け止めようと意識しないと
会話の波が途切れてしまい
うまく伝わらなくなってしまう。
そんな気がします。

円を描くことによって
エネルギーの循環も行われ
それはスポーツ界のいろんな人が
競技に応用されてるみたいです。

相手のエネルギーを利用して
勝利を手にされてたり。

その人たちは
動物たちから
動作の理を学んだようです。

すべての真理は
すでにあって
この世界そのものが
「円環」をもとに作られているようです。

人間はやっぱり
複雑に考えすぎているのかもしれない。
今手にしているものを
自然な形で使うことで
すべて円環し
丸くおさまるのではないか?
そんなことを思ったりしました。


さて、
私の肉体は
お芝居をしていた頃に比べると
かなり衰えてしまった。

それでも
歌を口ずさむと
身体全体に声が響き
私の中を通って
私の外に出る。

小さな円環ではあるが
私が持ってるものを
少しでもエネルギーに変えて
吐き出していきたいものです。

おまけ↓
インディアンの話のところを
読んでいた時
以前描いた絵を思い出した。

この絵が「円環」を表しているのか
どうかはわからないけれど
円を描いている気も
しなくもないなぁと思うのでした。(⁠•⁠‿⁠•⁠)

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