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君を振り向かせる音はまだ俺には出せない

やけに女の子くさい君の声が耳に残る

置き忘れた青春を取り戻しているのかな

君を女の子の顔にするのはやはりアイツなんだろうか

会った事はないが、顔と声は知っている男を思い浮かべて歯噛みする

いつもは強気で仕事をバリバリして隙を見せない君を頼りない女の子に変えてしまうなんて…

アイツはズルい男だな

冷めた珈琲に気づかずに、珈琲を冷まそうとして息を吹きかける君は未だ恋の魔法にかかったままみたいだ

置き去りにされた初恋のオトコの幻に惑わされている君をただ見守るだけの俺は、今日もため息をつきながらギターを掻き鳴らしている

ひっそりと部屋で一人、君の耳に届かないラブソングを歌っている

まだ俺の音には、君を振り向かせる力がないから


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