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親愛なるお姉様へ4

幕間 王妃様の独り言

私は、サルドバ王国の王妃であるエルザ。

旦那様は、賢王と名高いアレキサンダーよ。

先王の広い世界を旅したいという夢を叶える為に学園卒業後、直ぐに即位したの。

即位して半年後に私たちは結婚して、私は18にして国母と呼ばれるようになったのよ。

婚約者時代から王宮に住んでいたから、生活には特に問題はないのだけれど身の回りには安心出来る者しか置きたくないから専属侍女選びには苦労したわ。

実家である公爵家から連れてきた者と信頼出来る筋から紹介された者たちで固めたので安心出来てはいたけれど…

何か物足りなさを感じていたの。

そんな時、旦那様であるアレックスが私に言ったのよ。

歳が近い侍女もいた方がよいのではないかってね。

そうなのよ!

それよ!と思い立った私は親友であるアリーチェとロザンナを頼ったの。

アリーチェは、辺境伯の令嬢で剣の心得もあるからボディガードも出来るし、何と言っても私の幼なじみでもあるから気心が知れているから安心だったの。

ロザンナとは、仲良くなったのは学園に入ってからだけど推し活仲間として意気投合して王妃になってからも交流が続いていたのよ。

そんな2人に専属侍女になってくれないかとお願いしたところ…

2人とも、婚活避けにもいいから専属侍女になりたいと承諾をもらって今に至るってわけなのよ。

アリーチェは、キリッとした美人で才女だから学園でも人気があって婚約者がいないのが不思議な位だったのよね…

本人に結婚願望がないとは知らなかったなぁ。

私たちは、何故だか恋愛に関する話は避けていたから仕方ないけど…

私が幼い時からアレックスの婚約者だったから恋愛の話はしづらかったのかも…

高位貴族の令嬢はだいたいが政略結婚だからねぇ。

ロザンナの方も、公爵令嬢なのに婚約者がいなくって、実家からは王妃様の専属侍女になれば良い方を紹介して貰えるはずと期待されているらしいわ。

ロザンナに関しては推し活に忙しいから恋愛も結婚も今は興味が無いって言い切っているのだけど、実家の公爵家での早く結婚相手を探しなさいという圧に耐えきれなかったらしく…

エルザの専属侍女になって王宮住みだから気楽になったわ、侍女に選んでくれてありがとうと喜んでもらっている。

アリーチェも、ロザンナも優秀な侍女だし、親友でもあるから私の王妃生活は安全で安心で大満足なのだ。

最近では、アリーチェの妹が送ってくる手紙が可愛くて癒されている。

王宮暮らしって、国外からのお客様でも来ない限り変わり映えしない毎日なのでね。

外から入る風は刺激があって楽しいのですよ。

アリーチェの妹ときたら、父である辺境伯様と飛竜に乗ってお出かけするらしいのよ。

私も飛竜でお出かけしたいものだわ。

アリーチェは、飛竜に乗れるのかしらね。

アリーチェが乗れるなら、私も一緒に空の旅が出来るのに…

私もたまには、王妃である事を忘れて自由に羽ばたきたいのよね。

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