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無敵の呪文

金木犀の魔法へのリターンは、こんな物語。

桜の季節は別れのとき

〜私を忘れないで〜

桜の花言葉🌸

………

朝早くにみる窓際の姿 

おはようの言葉は

視線の合わない空返事

左側の横顔に何度となく

視線は感じていたけれど

通り過ぎる日常をやさしさという言葉で

包み込んでくれていることなど

知らなかった

綺麗だねという常套句

私だけの特別ではなかった

ふいに構えるレンズの奥

記録に残す写真は

記憶に残したいやさしさという眼差しで

収められていることなど

知らなかった

魔法のように溶け込んだ記憶のにおい

次の季節に金木犀の香りは

たぶん嫌でも思い出してしまいそう

ずるいと思うほどのその魔法は

無限に広がる青空のように

「なんとかなるさ」と見守るような

無敵の呪文に聴こえる

同じ時を過ごした優しい時間を

言葉にしてくれた優しい時間を

私だけの特別なあなたの優しさを

きっと、ずっと、忘れないから