独身の弱み

「お前に用事があるわけないじゃないか」

昔いた職場で私用で休みを取ろうとして言われた言葉。

家族がいないかららしい。

「自分が遊びたいだけなんだろ？」

と。

遠くから何年ぶりかに会う友人が来てコンサートに行く予定であることも説明したけど

「俺は奥さんと旅行行くからこれから長期休み取るけど」
「お前はそういうのもいないし子供作って国に協力しないからダメだ」

と。

その時は納得してしまった。友人からはとても残念がられたけどチケットを送った。

皆家族のために生きてるのに自分は自分のために楽しんではいけないんだと。家庭を持って子供を育ててる人達が偉いんだと。

そういう人達をカバーする為に働こう、ひとりもんは誰よりも優先されるべきでは無い存在で働いて働いて人知れず消えればいいと。

今もそのクセは残っていて、有休を自分の都合だけで取るのがとても苦手。

その職場からはもう離れたし、少しだけ自分のために生きてみようかと思えてきた。

人生半ばにしてやっとである。

楽しみたい時には体が思うように動かなくなっていて後悔している。