スキルや価値観を共有できずに終えたカジュアル面談
先日、久しぶりにカジュアル面談を受けた。
初めてカジュアル面談を受けたのは去年のこと、友人が勤めている会社を紹介してくれたのがきっかけだった。
その面談は、本当に楽しかった。自分が希望する部署の方と直接話をして、自分がそこで働く姿がイメージできた。そして、なにより仕事観を共有できたことが嬉しかった。過去の経験からこういうことを大切にしたい、という話をして、人と人として向き合えた感覚があった。
すぐに緊張する私は面接が苦手だったけれど、肩の力を抜いて話ができるカジュアル面談は自分に合っているかもしれない。ほくほくした気持ちで面談を終えた。
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前回の面談が楽しかった分、今回も期待に胸を膨らませていた。前回と違い、今回は人事の方が対応してくれるけれど、小規模なスタートアップ企業だからオープンに話ができるはずだ、と。
しかし、面談を終えて数日経っても、私はまだ混乱していた。
カジュアル面談って、こんな感じだったっけ…?
本当に会社の魅力を知ってもらいたいと思っているのかな?私のことを知りたいと思ってくれているのかな?と疑問を感じた面談だったから。
具体的に話すと「御社で働くことで、どんなスキルや価値観を得ましたか」と質問したら、こう返ってきたのだ。
すーっと会社に対する熱が冷めていった。この人にとって、会社はただスキルアップする道具でしかないのだろうか。少なくとも私にとって会社は居場所のひとつだ。
コミュニティ運営という誰かの居場所をつくる会社だから、社内で働く人も会社に強い思い入れがあるのだろう。なんて思っていたけれど、みんながみんなそうではないのか。本音を伝えてくれたことはありがたいとは思うけれど、正直がっかりした。
それに向こうから私に質問してきたことといえば名前と現職、どこで会社を知ったのかだけだった。ほぼ一方的に私が質問をするだけの面談。私は会社について知ることができたけれど、会社は私のことをほぼ知らないであろう。
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せっかくお互いの時間を使っているのだから、お互いが努力して、実りのある時間にしたい。私はそう思っているけれど、向こうは淡々とこなす仕事のなかのひとつだと思っているのかもしれない。必要最低限のことを話すだけ。
まだ会社のたった一人としか話していないから、これで会社全体も同じ考えだと思い込んで、選考を受けないのはどうなのだろう。と思うものの、人事の役割が会社の顔として話をすることならば、この嫌な勘もあながち間違ってはいない気もする。
いろいろと条件が悪い会社だったけれど、ビジョンに共感できて、私もこんな社会をつくりたいと初めて共感できた会社だった。期待しすぎた私が甘かったのか、人事の対応が不誠実だったのかはわからない。いずれにせよ、今回受けた会社は候補から外すつもりだ。
スタートアップ企業への幻想も、カジュアル面談への思い込みも、自分のコミュニケーションへの向き合い方も今回の面談で気づいたことだった。この時間もきっと無駄ではないから、もやもやと考え続ける思考を止めて、次へと進むことにしよう。