最低な春、25度目のリベンジ
ニュースキャスターが、
「来週には春の気温です」と言った。
もう春が来るのか
思えば、春は嫌いなことが多すぎた。
あのぬるっとした温度感も、人々の浮かれ模様も
新しい緊張感も、責任も
星空の見える屋上の小さな宿も、
不気味なほど真っ直ぐなブルーも
おばあちゃんに最後にみせた、地元じゃない桜の写真も
大嫌いなひとの誕生日も。
全部が25度目の、春
春になると心機一転、というのは全くの嘘で
みんな騙されている
桜が散れば、君たちには五月病が襲いかかる
そして口を揃えて「死にたい」って言うんでしょ
だるい。
人に対する鬱々としただるいの感情は
なんと言っても春の温度に似ている。
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