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戦艦探偵・金剛~シルバー事件23区~social game % 0 introduction

 ようこそ、金剛探偵事務所へ。
 私は金剛探偵事務所で助手をしている五月雨っていいます。
 深海棲艦との戦いも終わって、退役した金剛さんは、なんと女流探偵として東京に並ぶ者が無い名探偵として活躍しているんです。
 さて、世間では夏もそろそろ終わりという八月三十日になりました。子供たちは、今頃、夏休みの宿題を終わらそうと必死になっているところでしょうか? それとも過ぎ去る年月を思い返しながら、来る新学期に思いを馳せているのでしょうか?
 そんな中で起きた今回の出来事は、世間の皆様にたいそうな衝撃を与えることとなりました。
 始めは単純な、しかし猟奇的で不可解な事件に端を発する一連の事件は、被害者や警察のみならず、マスコミと世間一般、そして東京二十三区の存在そのものを巻き込んだ壮大な犯罪計画に発展していきます。
 この事件によって、多くの人々が肉体的、精神的に傷つくことになりました。
 ・・・・・・・・・それは金剛先生や私も例外ではありません。
 今回の戦艦探偵・金剛~シルバー事件23区~は、これまでのシリーズとは違い同時系列で起こる三つの物語を並行して語ることとなります。
 まず初めに八王子警察署の刑事、コダイスミオさんが連続殺人事件を追う『トランスミッター』。
 次に以前は通信社で働いていた元事件記者で、現在はフリーライターであるモリシマトキオさんが、謎の地下組織『カムイネット』を調査する『プラシーボ』。
 最後に私たち、金剛と五月雨が記憶喪失となった男性の身元を調査する『ソーシャル・ゲーム』。
 この三つのストーリーに共通するのは『ウエハラカムイ』という男性です。
 ウエハラカムイは戦前にあたる二十年前、『シルバー事件』と呼ばれる連続殺人事件を起こして服役することになりましたが、戦時中に徴用されていた軍需工場から姿を消していました。
 カムイを逮捕した元警視庁の捜査官であり、八王子署でスミオさんの先輩に当たるクサビテツゴロウさんは、再び発生した猟奇殺人事件の手口がカムイのものと似ていることを指摘します。
 ですが調べれば調べるほどに、ウエハラカムイという人物像は幻のようにかき消えていくこととなります。
 抹消された戸籍。
 死亡した証人。
 記録から消された事件ファイル。
 果たしてウエハラカムイという人間は、本当に実在したのでしょうか?
 テツゴロウさんが頑なに口を閉ざす『シルバー事件』の真相とは?
 戦艦探偵・金剛~シルバー事件23区~、どうぞよろしくお願い致します。

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