戦艦探偵・金剛~シルバー事件23区~ PLACEBO *1 UMI ③
九月五日 北海道札幌市 旅館 午後八時二十四分 三日ぶりに手記を書いている。三日間、書いていないとどう続きを書いていいか分からなくなるのは不思議だ。不思議と言えば、この手記は元々、俺が俺のために書いているもののはずなのに、知らず知らずの内に俺以外の読者を想定して書いてしまっているのは何故だろう。
一般的にどれだけ取材しても、百パーセントの情報が紙面に載ることはありえない。一つの取材対象に割り当てられているページ数、あるいは一ページ当たりの面積が決まっているからだ。
どれが