自閉症が治る薬

この世の中に自閉症の方は沢山いて、長い年月がたっているのに、自閉症を治療する薬がないことや、未だ多くの自閉症の原因は不明です。

自閉症の子を持つ親として一刻も早く、自閉症が治療できる薬ができたらなぁ。
そんなことを切に思います。

そもそも自閉症は治るというものじゃないのだと理解しているし、理解していたのですが、自閉症や知的障がいを持つということはとてもじゃないけど生きていくのに気苦労が絶えず、本人に対し不憫に感じてしまうのです。

それというのも今日息子の腕に小さなあざがありました。
きっと不可抗力の傷です。

そんなことを学校の先生に聞きたいし、言いたい、たずねたいけれど、誤解のないようにその言葉を選び伝えることに、思いのほか疲れてしまいました。

普段でも気を使い、言いたいことが言えず、今日はなんだかパンチをくらったような疲労感。

自閉症の息子のことでしばしば先生との会話の中で伝わらないな…というジレンマを感じているからなおさらです。

先生が思うより、親が子供の状態を把握していることはまぎれもない事実です。

それを全部受け入れてくださる先生と、そうではない先生がいらっしゃる。

そんなことに対する気疲れ半端なく続きます。

こんな時、息子が言葉が話せたらよかったのに、そうしたら息子が辛い思いをしなくてすむのにと思ってしまう。

今日は眠れない夜です。

うるさい親にはなりたくないけれど、言わなくてはいけないことがある。

深刻さが理解され辛いです。

障がいを持っている親(私)は普段はにこやかにはしているけれど、根本的には孤独です。

息子のために1日でも長く生きてあげたいと思って、大切に大切に育てているのですから…。

そんなジレンマに疲れすぎて…
息子を治せる薬。
できたらいいのになぁ…って思う。

私が気をつけていることがある。
 
それは息子の気持ちに寄り添ってあげるとうということです。

人間は辛さや愚痴を言えないということをしないで生きることはできません。

それができない息子だから、心が壊れてしまわないように特に気をつけています。

人からわかってもらえずに、褒めてもらえずしてはいけないことにだけ関わりをもたれて自尊心を失いがちな自閉症の子供だから。

それで本人が、荒れてしまったり、辛くなったりしないように。
私は心を砕いて今までずっと先生方とやり取りしてきました。

でもふとね、疲れてしまった日が今日です。

十数年以上もこのような生活をしてきても、まだまだ息子が理解される日や、私の思いが受け入れて貰える日はなかなか来ません。

先人の方々を思えば随分社会も変わり、受け入れてもらえるようになったというのにまだまだ心は辛いという状態はついて回ります。

自閉症は胎児期から幼児期までの脳の発達が凄く、健常児にくらべ頭が大きいということ。
息子は当てはまってます。
その脳の発達が成人期からは落ち着くということらしいのですが…。
安心していいのか、なんだか複雑な気持ちです。

脳の機能障害だということで、これからも健康にすごして欲しいのに大丈夫なのか、親なきあとのことを考えるといてもたってもいられない気持ちに襲われる日もあります。

私が思うに、自閉症は少し認知症の症状と似ていることもあるなと感じます。

前頭葉の機能なのか…なにか関係してそうだなって。

息子の場合知的障害もあるので、それは出生後の過呼吸による脳の酸素不足や低血糖からの影響とか、脳へのダメージもあったのかなと思ったり…

そんなことを考えてると心が痛いです。

息子は息子で完璧だと思っているかもしれないのに、不憫に思うなんてごめんなさい。

可愛そうだと思わないでとある方はおっしゃったけど、私はいつまでたってもこの気持ちが抜け切らないです。

単純に物凄く愛してるからなんです。
卑下でもなんでもなく、純粋な気持ちだけで、息子にも他の方々にも誤解しないで欲しいです。

何が幸せかなんてわからないけれど、私は息子に多くの選択肢を与えたかったな…って。

言葉が話せて「今日は疲れたよ」だとか、誰だって共感してもらいたいこともある愚痴や辛かったことも言えないことが、それができない彼のことが愛おしくすまなく思う。

誰にも理解されなくて、冷たい視線を感じる時は尚更、私は息子以上に辛いです。

差別をする人に対して、
誰だって選んで生まれてきたわけじゃないのだからと、かばってくれた人がいて、私は涙が出たことがあります。
息子の存在は否定されるものじゃなく、ただただ純粋無垢で、悪いことを考えたり、奪ったりだの欲の部分がありません。

認められず、受け入れられないことは悲しみです。

世の中には私以外に沢山の方々が悩み、今日もどこかで誰かのために願うんだと思うと、みんなの祈りが届きますようにと思います。

自閉症の息子を育てる中で人を思いやる気持ちや、慈しむ気持ちを沢山学ばさせていただきました。それは宝です。

悪いことばかりではありませんが、自閉症が治ればな…

息子のことを思えば思うほど、そんなことを思う日が自閉症の母にはあります。

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