見出し画像

メーロン・アカデメイア「ICT立国から学ぶ これからの情報教育」

メーロン・アカデメイアによる「【プログラミング教育を考える】ICT立国から学ぶ これからの情報教育 ~世界が注目するICT立国 ハンガリー・ルワンダの教育視察報告~」@宝仙学園中学高等学校 に参加させてもらいました!
https://peatix.com/event/1402419

メーロン・アカデメイアとは

まず、代表の小林さんからメーロン・アカデメイアについて説明いただきました。メーロン・アカデメイアは、ミライプラスにて立ち上げた、「教員と社会・産業界に関わる人々が共に学び合うグループ」です。

メーロン  : ギリシャ語で未来
アカデメイア: 紀元前387年にプラトンがアテネに開設した学校
「社会が大きく変わっているのに教育が変わらないのはおかしい」というのが今の教育改革の原動力。その一方で、「教育が社会を作る」。そのため、その先の未来を見据えた教育をしなければならない。
未来の社会を創る人材を育てる!

時代の背景として、以下の事柄を上げてくださいました。

時代の背景
  人口減少
  時価総額ランキング(日本の低下)
  キャッシュレスの比率、伸び率(日本の低さ)
  データ流通量、エネルギー消費量(途上国が大幅に増えている)
  消えた職業、増えた職業

メーロン・アカデメイアは、ミライをテーマに学び合う、学び合いの場です。「好奇心→出会い→学習→実践 →好奇心→・・・」というラーニング・スパイラルを築いていきます。

また、学校の施設を使わせてもらうとのことです。その理由は、学校の先生が集まりやすいようにということと、夜間には使われていない学校を有効活用したいという思いからとのことでした。

ルワンダのデジタル教育

画像1

東京学芸大学大学院 教育AI研究プログラム 修士一年の方からお話いただきました。

ルワンダはICT立国を掲げ、急成長しています。これには、歴史が影響しています。1994年にルワンダ虐殺と呼ばれるジェノサイドが発生しました。その後、カガメ大統領(ルワンダ国のCEO!)の下、経済成長が進められています。

重点経済政策
  Made in Rwanda
  MICE (Meeting, Incentive, Conference, Exhibition)
  ICT立国

下図のように、各国のプログラミング教育は、「論理的思考習得」「実践技術習得」に分類できます。

画像2

ルワンダは「実践技術習得」であり、プログラミングを職業にして食べていけるようになることを目的としています。
そのため、小学生のうちは楽しんでやっていますが、中学生になるとプログラミングが将来につながっている(=アメリカに引き抜かれることがある!)ことがわかってくるそうです。

また、本田圭佑がサッカー教室をルワンダに開校しており、そこではサッカーだけでなく、食べて行けるようにとプログラミング教育を実施しているそうです。

一方で、先生は給料が低く、人気が低いとのこと。なお、テキストは、理科の教科書の60-80%がプログラミングの内容になっているそうです。

ハンガリーのデジタル教育

画像3

北海道大学教育学部の方からお話いただきました。

ハンガリーは、早くからプログラミングが必須科目となっています。科目として「Informatika」という専用の科目があり、6才~15才まで必修です。先生も小学校の担任ではなく、専科の教員が、少人数制にて(教室を半分に分けて)教えます。

内容は、ICTリテラシーから始まり、ワードの使い方やコンピュータの仕組み学びます。また、アルゴリズムの学習に加え、実際にプログラミングも行います。Pythonが全国テスト(センター試験のようなもの)に出題されるそうです!
一方、プログラミング教室もあり、月5000円程度で通えます。「logiscool」というハンガリー発祥の教室で、現在は100ヶ国程度に展開しています。

子どもたちのプログラミングに向かう姿勢は、テストのため、という感じになっている子もいるそうです。

日本におけるプログラミング教育の必須化について

必須化のポイントとして、以下があります。

必須化のポイント
  国算理社の中で学ぶ(専用の科目ではない)
  パソコンを使わないプログラミング教育も OK
  プログラミング的思考力の育成が目的(コーディングではない)

また、日本におけるプログラミング教育の可能性を語ってくださいました。

日本におけるプログラミング教育の可能性
  失敗力(失敗から学ぶ力を身に付ける)
  余白 (これからは絶対解がなく、最適解しかない。子どもたちが
      裁量権を持ち、自分から問題を取りに行く力を身に付ける)

「プログラミング教育の必須化について、賛成か反対か」という議論がありました。

国の方向性はよいが、現場まで落ちていかない
穴埋め形式の問題だと、プログラミング嫌いの子が量産されそう。
そもそも、プログラミング教育とは?思考力?コードを書くこと?

情報技術の現状と未来

情報化社会(society4.0)からAI化時代(society5.0)へ。

画像4

画像5

建築とIT のプロセスを比較して、「プログラミング教育のターゲットはどこか」を話してくださいました。

画像6

右側は、AIにより人がする必要はなくなります。そのため、左側の能力を育てる必要があります。

「AIツールを使いこなし、どんな課題を解決するために、どんなデータを集めるか、設定する能力」が求められます。

本件の主催者の別イベントに関する記事を、こちらにて紹介させていただきます。
「『Most Likely To Succeed』を観て。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?