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75「詩」雨が降っている

絶え間なく雨の音が聞こえている
朝からずっと
雨は分け隔てなく降りしきり
辺りをぜんぶ
包んでいる

うすいラベンダー色の雲と
銀色の無数の雨粒が
街を繋いでいる

野原では
小さな動物たちがさらに小さな子どもたちを
育んでいる

雨粒は草花を潤し
葉っぱの上で宝石のように集まって
小さな動物たちの喉もまた潤している

灰色がかった薄紫色に染まった街は
静かに静かに
雨音と時計の音を響かせ
何事も無く時間が過ぎている

ありふれた時間

それがどんなにかけがえのないことか
それが奇跡のように幸せなことか
人々はいつもと変わりない1日の中で
気付けないまま
ラベンダー色に染まっていく

雨は分け隔てなく街中を包んでいる

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