87「詩」朝焼け
空気を伝ってくる悪意
魂が深く沈んで動けなくなってしまう
巧妙に隠された強欲
謙虚を装った自慢話
私の周りに張り巡らされた有刺鉄線の外に
踏み出せなくなってしまう
ふと
なにもかも投げ捨ててしまいたくなる
自分の欠点がどんどん膨張して
長所など見えなくなってしまう
ここにいる意味がいったいあるのだろうか
ふと
このまま消えてしまいたくなる
重過ぎる自分を背負うことに疲れてしまった
立ち止まったまま
俯き続ける
だいじょうぶだよ
その声がする
夜明けの静寂を割って一筋の陽の光が闇を変えていく時
言葉にならない言葉で
声にならないその声が
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