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194「詩」降誕



星たちは微かな光を降り注いでいた
暗闇でなければ気づけない光だった

その人がお生まれになったと
真っ先に気づいたのは
最も貧しい羊飼いたちだった

その人はもっとも貧しい人間たちの寝ぐらより
もっと貧しい動物たちの寝ぐらに
お生まれになった

誰も知らない
誰も気づかない
世界から忘れ去られた
片隅に生きる人々の涙に
その人は犬の目のような目をして
共に涙した

涙は一筋の光に変わった

一筋の光は
誰も知らない
誰も気づけない
世界から忘れ去られた
片隅に生きる人々を照らした


明日があるのかさえ分からない
粉々になった空間のなかで
日常を大切に守っている
人々がいる

ありふれたどこにでもある
暮らしの欠片が
かたくなに
守られる

希望はけして失われてはいない

メリークリスマス

その人が
お生まれになった



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