見出し画像

ずっと自分の顔が嫌いでした。
小学生や中学生の頃、男の子から顔のことで揶揄われたのがいつの間にか深い傷になっていたのだと思います。

私の目は一重の小さな目です。
「象の目」とか「眠そうな目」、そんなふうに揶揄われることが度々でした。おそらく言ってる方は悪意もなく軽い気持ちで言ったのでしょう。
けれど、自分ではどうする事も出来ない顔の事を言われ続けると自分でも気づかないうちに深い傷になってしまいます。

中学生の頃、家から外に出るのが嫌になってしまいました。学校は通えたのですが、家に帰ると出かけるのに勇気が必要でした。
それは、ある時、男の子からから揶揄われた事が原因でした。私の顔を見て男の子が「ゲー、気持ち悪い。」と言ったのです。
私の顔を見ると気持ち悪くなる人がいるんだ。人を不愉快にしたくないという思いを引きずっていたのです。

高校は女子校でしたので、顔のことも気にならないでいられました。
進学した大学は自由の学府をモットーにし1人1人の違いを大切にする校風でしたので顔への劣等感もあまり感じないでいられました。

その後ドイツで学ぶ機会がありました。
特に仲良くしてくれたのはアンチェでした。
アンチェはある日、私に言いました。
「私、あなたの目が大好き。美しくて。」
私はとても驚きました。ずっとずっと目には劣等感を感じてきましたので。
「あなたのように一重で切れ長の目を見た事がなかった。」とアンチェは言いました。

そう言えば、ドイツ人には一重の人はいないと気づきました。
「美しい」というアンチェの一言がずっと縛られていた劣等感から私を解放してくれました。
ありがたい一言でした。

違っているから良いものを見つけられたのかもしれません。

相変わらず自分の顔が美しくないのは私は自覚しています。それでも、母からもらった顔、神さまからもらった自分の顔を出来るだけ美しくしていけたらと思うのです。

顔を美しくするのはお化粧だけではなく、笑顔に現れる自分の生き方なんだろうな。いい笑顔を作れるように、納得のいく生き方をしていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?