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190「詩」縄

生まれ落ちたその瞬間から
背負っている重荷がある
重荷に気づく時がやがて来る

人の言葉が縄目のように捻れている
言葉の奥で気持ちが捻れ
心が重く硬い塊になる

ぶつかり合う塊

縄目を解いてしまえば
毛羽だっているけれどまっすぐな縄だ
ぶつかり合っていた縄が平行になる
並行になった縄は
まっすぐにまっすぐに見えなくなった
その先でもぶつかり合うことは
けして ない

地層になって
どこまでも伸びていく

言葉の裏を探してばかりいる人
言葉の表面しか見ない人
どちらの心が深いかなど誰も
誰も決められない

重荷を引いていく縄が
まっすぐだからといって
心が浅いなどと
誰も言ってはいけない

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