原田 知世 / ヴァイオレット (2021)
原田知世デビュー40周年を記念したニューアルバム『fruitful days』が3/23にリリースされる、といううれしい知らせが飛び込んできた。
まずは、公開されたアルバムタイトル、そしてグリーンを基調としたアルバムジャケット。これをチェックしただけでも、これから訪れる春のひとときに寄り添うのに最適な、瑞々しい気持ちよさを得られる一枚になるのではないかという予感がした。
作品には、THE BEATNIKSや高野寛、辻村豪文(キセル)といった、彼女の音楽活動にこれまでにも携わってきているミュージシャン(かつ個人的フェイバリットミュージシャン)をはじめ、高橋久美子や綱森将平といった面子が参加。さらに、アルバム・プロデュースは約15年にわたり彼女の音楽活動に寄り添ってきているギタリスト / 作曲家の伊藤ゴローが務めると聞いただけで、そのアルバムの完成度は担保されているのは間違いない。
そしてアルバムには、昨年末にリリースされた川谷絵音(ゲスの極み乙女。/ indigo la End etc)が作詞作曲・サウンドプロデュース担当した「ヴァイオレット」も収録。
実は、この曲をはじめて聴く前「川谷絵音と原田知世(の組み合わせ)かあ」と、その初タッグに少し気乗りしない感情を、自分は覚えていたのであった。それは、川谷絵音の創る音楽の“記名性の高さ“がうまく彼女の音楽とフィットするのか、やや不安であったから、だと思う。
ただ、実際に聴いてみた「ヴァイオレット」は、長年キャリアを積んできた彼女の音楽の幅をあらたに開拓するかのような、新鮮な清々しさにあふれた素敵な曲だった。
音色にしてもリズムにしてもコトバにしても、簡潔さと綿密さを見事なまでに両立させつつ、原田知世の柔かな綿毛のような声を十二分に生かしたその楽曲。曲を聴き終えたあとに残る、やさしく美しいその余韻たるや。
聴き終えたあとに年甲斐もなく、ちょっと感動してしまったことをここに記しておく。「あー、やっぱりこの人、音楽の才能スゴい人なのね」と。
そんなわけで、彼女のニューアルバムを耳にする日に備えて、過去作をさっそく復習中。まずは近作から遡っていっております。だからホントは今回は、オリジナルアルバムの中での前作『ルール・ブルー』について書こうかと思ったのだけれど、このアルバムについてはnoteで過去に触れていたので、今回ピックアップしたのは「ヴァイオレット」ということで。
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