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327【詩は歌に恋をする】

今日は谷川俊太郎さんのCDを紹介です。

詩は歌に恋をする -DiVa BEST (DiVa + 谷川俊太郎)
 谷川俊太郎さんは、詩人です。まずひとつ、詩を紹介します。

「自己紹介」

私は背の低い禿頭の老人です
もう半世紀以上のあいだ
名詞や動詞や助詞や形容詞や疑問符など
言葉どもに揉まれながら暮らしてきましたから
どちらかと言うと無言を好みます

私は工具類が嫌いではありません
また樹木が灌木も含めて大好きですが
それらの名称を覚えるのは苦手です
私は過去の日付にあまり関心がなく
権威というものに反感をもっています

斜視で乱視で老眼です
家には仏壇も神棚もありませんが
室内に直結の巨大な郵便受けがあります
私にとって睡眠は快楽の一種です
夢は見ても目覚めたときには忘れています

ここに述べていることはすべて事実ですが
こうして言葉にしてしまうとどこか嘘くさい
別居の子ども二人孫四人犬猫は飼っていません
夏はほとんどTシャツで過ごします
私の書く言葉には値段がつくことがあります

 こういう方です。私の大好きな詩人で、いくつか好きな詩があります。谷川さんは言葉をとても大切にされていて、言葉の力を信じている一方で、言葉をとことん疑っている一面もあり、そこがいい。この世の中に、当たり前なんてことはなくて、不思議ですが、非常式だなあと思える人が、実は当たり前なことで、非常識なこと、不道徳な面が一つもないなんて方が、実はおかしい。光と影を見ようとする谷川さんの言葉には真理を見い出すことができるように感じています。ぜひ聞いてみて。

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