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メンター0年生、 学生を通してデザイン思考のポイントに気づきはじめる#3 (東工大EDP)

さくらインターネット株式会社の瀧本です。

昨年、東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト(以下EDP)という、デザイン思考を用いた「ものづくり」を通して、社会課題を解決する授業に参加しました。

EDPが始まった当初は、右も左もわからない状態の中、手探りでメンタリングを行なっていました。しかし、学生と接していくうちに自分の意見を優先して、学生に寄り添う気持ちが足りないことに気づきます。前向きな関係づくりをするために、認識を改めようと考えました。
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今回は、授業5回目から6回目までのできごとをお伝えします。

登場人物

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ピカピカのメンター0年生。

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学生・社会人
私がメンターを担当したチームの学生・社会人。

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東工大の先生・さくらインターネットの協力者
周囲の人々。


先生の言動からメンタリングのヒントを得る

12月5日(土) EDP授業5回目

2ヶ月経っても、私のチームは最初のプロトタイプから大きな変化がありませんでした。この日もひとつのプロトタイプを巡って議論が続き、活動が停滞しているように見えました。この状況を打開するために、他のチームを見てメンタリングのヒントを得ようと考えます。

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他のチームでは先生が「チームのアイデア」を学生に演じさせ、その感想を聞いていました。学生がテーマやユーザーに向き合い、試行錯誤している様子が言葉や行動から伝わってきました。

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「これだ!」と思い、すぐにチームに持ち帰って提案。時間がもったいないと思われたのか最初は流されましたが、諦めず再度提案すると渋々行動してくれました。その後は、学生たちの話がプロトタイプからユーザーへ少し向き直ったように見えました。


チームの状況を見て、メンターも強化モードへ

2020年12月11日 (金)・15日 (火)オンラインインタビュー7回目

中間発表の一週間前に、同僚から「チームの状態を考えると、メンタリングの方法を見直した方がいい」と言われました。これまでは、学生に選択を任せる、ゆるふわメンタリングを行なってきましたが、ユーザーから情報を引き出せない状況が続いたため、より踏み込んだメンタリングが必要になったのです。

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学生はインタビューでプロトタイプの話をするため、ユーザーの情報を引き出せずにいました。そのため、インタビュー前にプロトタイプを通じてユーザーの普段の仕事の話を聞くように伝えます。具体的な要望を伝えたためか、次のインタビューではユーザーの仕事に焦点を置いていました。

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ついにチームのソリューション審査がやってくる

2020年12月19日 (土) EDP中間発表

12月中旬、EDPの中間発表がありました。先生とパートナー企業が審査員となって、チームのソリューションを審査します。「Go」が出れば計画通り進め、「No Go」なら大幅に方向性を変えなければいけません。私はソリューションを客観的に判断するために、周囲の人たちの言動を参考にして「当社のテーマに沿っているか」「EDPの授業目的に沿っているか」という基準を作りました。

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チームは「在庫管理が大変」というユーザーの声をもとに、作業効率を向上させるソリューションを発表しました。授業目的である「ユーザーが気付いていないニーズを見つける」と、テーマである「オペレーターの健やかな勤務生活」とは乖離があるように感じ、審査でも同様の声が上がったためソリューションは「No Go」になりました。

その後のチームはお通夜のようでした。学生からの若干の当たりの強さに心を痛めながらも、チームに良い顔をするために「Go」を出しても誰も得をしないと自分に言い聞かせました。


年末にチームからインタビュー依頼があり、メンターとして判断に悩む

2020年12月28日 (月)

会社の長期休暇の前日に、学生からインタビュー依頼がありました。普段なら学生の要望を当社のオペレーター責任者へ伝えるのですが、今回は少し悩みました。オペレーターはシフト制で働いているので、インタビューを行うには大きな調整が必要です。そのため、依頼をするのは希望日の5営業日前と伝えていましたが、今回の依頼はそれが守られていませんでした。

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一方で、先日のソリューション審査で「No Go」が出てしまい残された時間で巻き返しが必要になったこと、これまでは約束を守ってくれたことから、そのまま突っぱねるのもためらいました。

結局、私だけでは判断できないと思い、ダメもとでオペレーター責任者に確認しました。急ぎで調整してもらい、何とか年始にインタビューを1件実施できることになりました。

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EDPでは、今回のように明確な正解がない中で行動を決める機会が多かったです。すぐに判断するのではなく、なるべく情報を集めて私なりの最適解を探しました。


4回目のレポートへ続く...
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