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コロナの加害者

突然始まった新型コロナウイルス。

等しくみんな被害者で、誰も加害者なんていない。みんなで協力して乗り切ろう。

と、綺麗事を言えないな、と思ってしまうのが悲しい。

何が正しかったとかは終わってみないと分からない。それに、終わった後で間違いだったと分かることもある。でもその間違った判断をくだしたとしても、それを悪とはあまり思いたくない。

ただ、意図的に間違っていると分かっている事を広めたり、コロナに託けて金儲けしようとか思う人もいると思うとやっぱりそれは悪だと思う。

とはいえ、悪意なく過ごしていれば、加害者になることはない、と思うのに、自分にはどうにも加害者意識が強いのだというのが最近気づいた。それが多分ずっとしんどいな、て感じていた大きな理由だ。

だって被害者って立場って自分勝手な思考になりがちじゃない?

そんな考えが自分の中にある。

被害者である以上その立場ってすごく優位なんだよね。辛い思いをしてきたわけだし、つい攻撃しちゃう気がする。でも加害者っていうのが今回災害みたいなものだとざっくりとし過ぎている。だから、国とか、自粛してない人とかに向けちゃう人がいるんだと思う。

自粛警察、とまでいかなくても、心の中で非難している人は多分結構いる気がする。正直にいうと、私だってそうだ。どうしたって自分を基準に、そして自分に甘く考えてしまう。意識してもつい思考に陥ってしまう。

自分の物差しで他人を推し量ってしまう。きっとその人にもその人なりの物差しがあって行動しているはずなのに。だから自分だって他人の物差しに当てはめられた時、間違い、となる可能性は大いにある。それが、私はとても怖い。


ただ、そんな思考が強くなったのは一つの情報番組からだ。

まだコロナの出始めで、検査が少ないことをあれこれ言われている時期だった。検査の陽性率を考えたって検査するより家にいろ、というのは分かる話だった。元々インフルの時から検査の必要性は問われていたしね。それに日本はPCRを他国に依存していたから検査数を確保できない、といのもあったし。


でも番組に呼んだ専門家に対して、何度も同じ質問を投げかけた。「なぜ検査数が少ないのか」と。それをどれだけ説明しても、でも、と見当違いなことを言っては、責めたいようにしか見えなかった。何度も何度も繰り返し。

「感染の対策として、顔など極力触れないようにしてくださいね」
という言葉に
「そんなんじゃあストレスになって逆に病気になりますよ」
みたいな言葉の応酬。

そこで気づいた。
この人被害者だって思ってる。そして被害者代表として正義感の元に声を上げてるつもりなんだって。
なんとかしてくれると勝手に信じて、でも思ったように動いてくれない国や医療従事者を敵とみなして攻撃しているんだって。

その時悲しみの方が強かった。他の報道だって似たものがあったし。

そこからメディアにあまり触れていないので、どんな報道をされているのかわからない。でも、ワクチンを受ける前に
「国に騙されては駄目」
と複数人から止められたりしたあたり、碌な報道をしてないのではないか、とは思ってしまう。


情報を手に入れるのは大事だけど、受け身でいるのはいけないな、と感じる。自分の信じれる情報源から手に入れたりしないといけない。最近はネットで簡単に調べ物もできるようになったからそれはなおさらのことだ。

コロナって本当に疲れる。敵はウイルスだけなんだからみんなで協力して乗り越えようよ、と綺麗事が言いたい。でもみんな事情を抱えてるから、味方同士で争っちゃうのが切ない。

早く終わって飲みに行きたいですね。

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