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インド食器屋のインド料理旅

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食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しいインド料理やインドの食文化を、「アジアハンター」の店主・小林真樹さんがエッセイふうにご紹介します。
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#インド食器

バターチキン 【1】 出会いと衝撃

今やどんな街に行っても必ず一軒はあるインド料理店。 「今日はインドカレー気分だな?」 自…

バターチキン 【2】 インドでの食べられ方と食器の差

日本で「バターチキン」の美味さに開眼した私は、その後インドを訪れた際も行く先々でたびたび…

バターチキン 【3】 食材と味の違い

「バターチキン」というワードは、当時の私が主体的に記憶した最初のインド料理名だったかもし…

ナン 【1】 日本での進化

バターチキンと相性バツグンなのがナン(ナーン)である。焼きたてでふっくらモチモチしたナン…

ナン 【2】 インド各地のタンドール

「大きく作ったナンを、その大きさを強調させるためノーカットでサーブする」 これが日本のイ…

ビリヤニ【1】 本物のビリヤニとは何か?

「ビリヤニ用のハーンディーください。今度新しいメニューで出すので」 そんな電話が増えたの…

ターリー【2】 さまざまな材質のターリー

ターリーという料理を巡る旅に出る前に、食器としてのターリーについてもう少し深掘りしてみたい。インドの問屋街はたいてい旧市街にある。ステンレス食器が山積みになった、その古めかしい外観をみているといかにもインドでは古くからステンレス食器が使われてきたかのように錯覚するが、実はそもそもステンレス鋼材は約100年前に「発明」された新しい金属である。さらにそれがインドで食器として一般化されるようになったのは1970年代以降といわれる。ここ50年ぐらいの出来事なのだ。 ではステンレス食

ターリー【3】 インド各地のターリー

北インドにある多くの大衆食堂では、一皿料理であるターリーの中身が何かなど説明しない。せい…

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ファルーダ【3】  ファルーダ食べ歩き旅

前回はインドに伝来したファルーダが、三つの経路を経てそれぞれ特異な進化を遂げている状況と…

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チキン・マンチュリアン【1】 インドにおける中華料理の登場

昨年(2023年)の夏だったか、「インド中華」に世の注目がにわかに集まった。「町中華」や「ガ…

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チキン・マンチュリアン【2】 インド中華のルーツ探し

一口にインド中華といっても実にさまざまな料理が存在する。そしてその出どころを探っていくと…

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チキン・マンチュリアン【3】 インド中華を食べる理由

先日、都内のとある場所で駐日ネパール大使館主催による「憲法発布記念日(National Day)」を…

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グラーブ・ジャームン【2】 原料となる二つの乳脂肪

インドの菓子はその成分から、「ミルク由来」と「非ミルク由来」とに大別できる、と前回お伝え…

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グラーブ・ジャームン【3】 インド各地の菓子

前回まではコーヤーとチェナーという乳脂肪由来のインド菓子についてご紹介したが、もちろん乳脂肪以外の素材を使った菓子もまたインド全土には存在する。今回はさまざまな素材で作られる、インド各地の菓子をご紹介していきたい。 まず「ジャレビー」。水で練って寝かせたマイダー(精白した小麦粉)を小さな穴の開いた布に入れ、油の中に細く絞り出すように揚げていく。ト音記号のような形状に揚がったら、どっぷりとシロップに漬け込んで完成。露店でよく見かけるポピュラーな菓子である。一見いかにもインド固