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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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#お土産

「全国最中図鑑」55 讃州最中 (香川県丸亀市)

明治維新後の都道府県制が敷かれる前、日本の地域行政区画は六十余州(66国と2島)と呼ばれる「国」が単位だった。武蔵(国)、信濃(国)、三河(国)など、今もさまざまな固有名詞に名付けられていたりする国名だが、これらは正式名よりも通称「○州」(例えば武州、信州、三州など)と呼ばれることが多い。香川県はご存知「讃岐うどん」で知られる「讃岐」の国。通称「讃州」である。 その「讃州」の文字を浮き出させた風格のあるもなかが「讃州最中」。 香川県丸亀市、讃岐のシンボル讃岐富士のお膝元で昭和

「全国最中図鑑」52 よーじや謹製 手作り最中(京都府京都市)

京のあぶらとり紙で知られる「よーじや」の歴史は、1904年、舞台化粧道具の行商から三条に店を構えた「国枝商店」に始まる。 大正初期、世間で口腔衛生が注目され始めた頃、初代が歯ブラシの商いを始めた。その頃、歯ブラシは「楊枝(ようじ)」と呼ばれていたことから、人々に「楊枝屋さん」と親しまれるようになり、この愛称を店名に改めたという。 昭和40年、2代目が手描きした、手鏡に京の女性の顔が映っている絵をロゴマークとして採用し、よーじやの全国展開と共に、このおしゃれな「よーじやマーク」

「全国最中図鑑」42 火山桜島もなか(鹿児島県鹿児島市)

鹿児島のシンボル・桜島は、北岳・南岳から成る複合活火山で、年間200万人の観光客が訪れる鹿児島屈指の観光地。今も噴煙を上げ、灰を降らせ続けている世界的にも珍しい火山だ。周囲約50キロ以上、面積約80キロ平方メートルで、名前のとおり元は島だったが、大正3年の大噴火で対岸の大隅半島と地続きになった。 誕生したのは約2万6千年ほど前。日本の火山の中では比較的新しい火山だが、有史以来頻繁に噴火を繰り返してきた。噴火の頻度は数週間に一度のこともあれば1日に2、3回の時もあり、鹿児島のニ