「全国最中図鑑」30 王将もなか(山形県天童市)
山形県天童市は、将棋の町として有名である。その天童市には当然、将棋関連の最中があるに違いないと調べてみると、やはりあった。大正10年創業の老舗菓子店・盛寿庵の「王将もなか」だ。
全国の将棋駒の生産量の9割を占める天童市が将棋の町になったのには、こんないわれがある。
織田信長の子孫・織田信学は、江戸末期の天保7年に家督を相続して天童藩の2台目藩主となるが、当時の天童藩は財政の悪化が著しかった。そこで信学は、先祖より代々継承されてきた将棋の駒の製法を家臣一同に教え、家庭内の内職と