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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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2022年6月の記事一覧

「全国最中図鑑」30 王将もなか(山形県天童市)

山形県天童市は、将棋の町として有名である。その天童市には当然、将棋関連の最中があるに違いないと調べてみると、やはりあった。大正10年創業の老舗菓子店・盛寿庵の「王将もなか」だ。 全国の将棋駒の生産量の9割を占める天童市が将棋の町になったのには、こんないわれがある。 織田信長の子孫・織田信学は、江戸末期の天保7年に家督を相続して天童藩の2台目藩主となるが、当時の天童藩は財政の悪化が著しかった。そこで信学は、先祖より代々継承されてきた将棋の駒の製法を家臣一同に教え、家庭内の内職と

「全国最中図鑑」29 烏賊もなか(佐賀県唐津市)

九州の北西部、玄界灘に突き出した東松浦半島の北端にある佐賀県唐津市呼子町は、全国でも屈指のイカの町。10月中旬から4月中旬はアオリイカ、1月から3月はヤリイカ、4月中旬から10月中旬まではケンサキイカと、一年中美味しい烏賊が食べられる。 呼子名物の「イカの活き造り」は、鮮度抜群のイカを素早く活き造りにしたもので、味も食感も素晴らしく、一度食べれば貴方もイカの魅力のトリコになること間違いなし。福岡市内から車で約1時間という便利な場所なので、佐賀にお出かけの際にはぜひご賞味いただ