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【はじめての東洋医学】聞いて・読んで覚える「肺の生理作用について(主気・主呼吸・宣発・粛降)」の考え方

【2021/06/04 更新】このアカウントは鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・言語聴覚士などの国家試験対策の覚え方のコツ・ノウハウ・ゴロ合わせなどをお伝えしています。

【東洋医学概論】
 肺の生理作用

今回は「肺の働き」について勉強をしていきます。

肺と聞くと、もう呼吸のイメージですよね。
酸素を取り込んで、二酸化炭素を吐き出すあの呼吸
東洋医学でも、呼吸を司ると言われています。さすがに同じですね。

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【肺の生理作用】
 ▶主気・主呼吸
 ▶宣発・粛降(せんぱつ・しゅくこう)

聞き慣れない言葉が出てきましたが、ちゃんと説明をしていきますので安心してください。

ということでまずは馴染みのある方、主気主呼吸の説明をしていきます。


【東洋医学】肺:主気主呼吸の働きについて

宣発と粛降が協調して気の化生と気機の調節を行う機能を主気という。

【主気の働き】
 ▶呼吸を主る
 ▶一身の気を主る

まず説明していきたいところなんですが、気には4種類ありましたよね。
元気・宗気・衛気(えき)・営気 この中で肺が作り出す気ってどれやったか覚えてます?

そもそも気に4種類もあったかな? っていう方は過去の動画で説明していますのでこれ見終わったら見てみてもらえたら勉強なると思います。

正解はそうですね。 そうき!

宗気は肺から入ってきた清い気と書いてせいきと、脾の運化作用によって作り出された水穀の精微(水穀の気)というのが結合されて作り出されます。

テスト的には宗気を作り出すのは?と聞かれたら肺ともうひとつ脾と答えるのが正解ですね。

呼吸って吸うだけでなく、吐き出すのも1セットですよね。
吸うときには、清い気 せいき を吸い込みました。
では吐くときには何を吐き出すかというと、濁気(だくき) にごった気と書きます。

西洋医学ではこの呼吸という機能を肺の最重要ポイントとしていますが、東洋医学ではこの呼吸という機能はまぁどうでもいいといったら弊害がありますが、これは肺のもつ生理作用の動作的な位置づけであんまり重要視されていません。

今回お伝えしている作用の名前もう一度いいますね。主気主呼吸です。
そしていま鍼灸師学生が使っている教科書では主呼吸はカットされています。

肺は「一身の気を主る」と言われています。
つまり、清気と濁気を交換することは動作であり、根本は気を司っているというのが肺の生理機能になります。

例えば、これは感覚的に自然に行っていますが、深呼吸をして、気分を変えたりしていませんか?

なんかもやもやして気分が落ち込んでいるとか、なんか滞っているような気分のときに、深呼吸をして気分を変える。 気を変える…肺の呼吸には気を変える力が備わっている。

全身の気の動き 気の動きを 気機 といいました。 を調整しています。
その調整を呼吸というリズムによって調節していると考えられています。

では肺の作用でもっとも大事なところである宣発粛降についても説明をしていきます。

【東洋医学】肺:宣発粛降の働きについて

 ▶宣発:広く発散し、行き渡らせること
 ▶粛降:肺気を下におろし、呼吸道の清潔に保持する作用

まず宣発から説明をしていきます。

宣発とは、宣布(せんぷ)(広く行きわたらせる)・発散(外へ発し散らす)を意味する。気や津液を上へ外へと輸布する機能である。次のような特徴がある。

簡単にイメージをお伝えすると宣発は上のイメージ、粛降は下のイメージです。
宣発は噴水のように上へそして外へと気を散らし身体の表面や身体の外になにかを送ります。

その何かは気であったり、津液であったり、体内の濁気であったりします。

【宣発の働き】
 ▶体内の濁気を体外へ排出する
 ▶津液と衛気を輸送して体表に到達させる

【体内の濁気を体外へ排出する】
 呼気によって体内の濁気を体外へ排出する。気機は上向き、外向きに動く。

これはそのまんまですね。呼吸の吐く時 呼気時に体内の濁気を体外へと排出します。
西洋で言えば、二酸化炭素ですね。

【津液と衛気を輸送して体表に到達させる】
 津液と衛気を体表に到達させるとともに鼻竅(びきょう)を通す。

脾によって作り出された津液・衛気を肺の機能によって体表に届けます。

花粉でもないのによく鼻がつまっちゃうってひとは肺の機能が低下しているのかもしれません。

でこの機能が低下していたら単純に鼻が詰まるだけでなく、根本的に衛気が体表に届かなくなります。

衛気っていうのは防衛の「衛」という漢字を書くことからわかるように身体を防衛している気のことです。

これが少なくなる不足する。外邪に攻撃されまくりの体へ…風邪を引きやすくなる。

また、衛気は毛穴の開閉も管理していました。毛穴のことを膝理といい、開いたり閉じたりすることを膝理の開闔(かいこう)といいます。

この膝理の開闔ができなくなることから、暑くもないのに汗を書いてしまったりする自汗という症状が現れます。

こんなかんじで気とか津液を体表にとどめておけなくなることから衛表不固
(えひょうふこ)とか衛外不固(えがいふこ)とかいう名前がついているんですが、今は覚えなくて大丈夫です。

次から説明するのが宣発粛降の粛降の働きについてです。

粛降には3つの大きな役割があります。

【粛降】
 ▶気道を清潔に保ち、自然の清気を体内に取り込む
 ▶気機を下降させる
 ▶津液を腎まで輸送する(通調水道)

【気道を清潔に保ち、自然の清気を体内に取り込む】
 吸気で清気を取り込むことにより気の化生に関与している。脾で吸収された水穀の精徴は、粛降によって取り込まれた清気と合わさり宗気となる。また、気道を清潔に保ち、清気を十分に取り込めるようにしている。

肺は呼吸によって清気を身体に取り込んでいきます。
肺の機能は気道を清潔に保つという働きをもっています。

西洋医学でも気管には粘液上皮細胞の線毛というものがあり、呼吸の際に入ってくる不純物・異物を排除するメカニズムが備わっています。(鼻だけでなく気管)

おそらくそれのことを指していると考えられますが、この働きが弱くなってしまうと、痰が絡んできたりします。その結果体内に取り込める清気も少なくなりますので喘息であったり、息切れというものが発生します。

ちなみに肺は痰を溜め込みやすい臓といわれています。
別名がついています。なんでしたでしょうか。
痰を溜め込みやすい器 貯痰の器…でしたね。 貯金の器やったら最高やったのにね。
そして、痰を生み出すのが脾でしたね。 貯痰の源…貯金の源やったら最高やったのにね。


話を戻して、1つ目の宣発粛降の機能は気道を清潔に保ちながら、清気を取り込むことです。


2つめの機能は気機を下降させるという働きです。

【気機を下降させる】
 粛降は全身の気機を下降させる働きがあり、胃の降濁や大腸の伝導作用を補助している。粛降による気機は下向き・内向きに動く。

しっかりと息を吸い込むためには、気をしたに降ろさないといけません。
そしてその下におりた気は胃や大腸の作用を補助しています。

そんなわけ無いやろっておもうかもしれませんが、腹圧と深呼吸とか結構関係ありますし、横隔膜によって胃や大腸に影響を与えることから案外ありえるとおもいませんか?

肺は上にも下にも外にも気を放つ蔵ということですね。
ということで最後が通調水道についてです。


 【▶津液を腎まで輸送する(通調水道)】
 粛降は水分代謝に関与しており、脾によって送られてきた津液を全身にめぐらせ、腎まで輸送する。


水道ってあの水道?ひねったらでるやつ?と思われた方もいるかも知れませんが、私はずっとその水道のイメージで学生自体過ごしていました。

水を運ぶ臓っていうのは2つあって、一つは肺でもうひとつが腎です。
腎の方はイメージ付きやすいとおもうんですよね。
西洋でも尿を作り出すところなんで

なので肺が津液と関係しているってイメージつきにくいので要注意です。

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