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ラララ科学の友&アルトハイデルベルヒ、終演感謝の感想文的な何か

忙しく仕事しながら終演後の廃人期間をなんとか脱しました。気づいたら、あれから1週間超。創作をしていない時の1日って、なんだか短い気がします。どうしてだろう。

さて、タイトルにもある通り、平原演劇祭「ラララ科学の友」無事に終演いたしました。
ここからは裏側の話をするので、そういうのが得意でない方は見ない方が良いかもしれません。

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平原演劇祭では演出みたいな事もたまにするのですが、今回に関しては本当に全員で作りあげたという自負があります。みんな面白いのだよ。そして、なんだかんだメンバーのバランスがいいのです。

脚本に対してまっすぐで読みが深い人、どっからその技引っ張り出してんねんって人、ぼそっと呟く一言が全部当たる人、とにかく身体が動いて手先が器用な人、本番にかける集中力がピカイチな人。
私は…なんだろう、勝手に全部抱えちゃう人?
……だめじゃん。うーん。
アイディアが多い人ってことにしときます、数打ちゃ当たる星人なので。

今回の芝居は前半に「アルトハイデルベルヒ」という不条理劇のようなもの。休憩という名のウインナー食べ食べ大会を挟みまして、後半に絵本三作品の上演という構成。
稽古中に、「この順番で本当に良かったね」と夏水さんとお話ししました。本当に良かったです。前後半が逆だったら空気も体力も死んでましたね。
1作品ずつすこしだけ振り返ります。

「アルトハイデルベルヒ」
夏水さん(この作品で一番喋る人)以外のセリフが直前まで全然入らず大変なことになっていましたが、なぜか本番ではみんなしっかり台詞を言いました。謎です。
この作品の演出の方向性は、主宰である高野竜さんが提示された椅子取りゲームの案をそのまま拝借しております。稽古ではこの作品しかほぼやってないと言っても良いです。動きの演出は、ほとんど夏水さんの提案のもの。めちゃくちゃ引っ張ってくれて助かりました。私この作品に関しては豚のお面に全力を注いでいたため、マジで何もしておりません。私が決めたのは運転手の位置くらいですかね。
椅子取りゲームで回る方向は毎回くわたさんがランダムで決めるので、スリリングさもあり、演じる面での楽しさも詰まった作品でした。

「おっかなどうぶつえんのちず」
まるっきりかかわってません。パワーマイムでやります、という話は聞いてましたが、本番まで稽古場で通しを見たことがありませんでした…(だから私は本番ドチャクソ笑ってました、お客さんの迷惑になっていないことを願うばかりです)。どうやったらあんなに完成度が高いものがいつの間にか出来上がるんだろう、と軽く嫉妬しました。

「たらばがにのはる」
夏水さんの「ちょっとパニックムービーっぽいよね」という言葉から、連想ゲームで思いついたアイディアを繋げた作品です。パニックムービーあるあるの、ニュースキャスターや中継先の人間役で地の文を読んでもらおうと思い、稽古場で案を出しました。このような感じで、と例を出すために地の文を読んでいた時。「マスたち」が出てくることに気づきました。「こ、これはマスコミのことですね!」とその場で決まりました。
タラが「でーすぅ」と言いながら向かってくるのは最中さんが稽古中にいきなりやり出してそのまま生きになりました。初めてやられた時は息できないくらい笑いました…。あの人去り際に私にしか聞こえないくらい小さな声で、「たーいー」と言うんです。それはいくらちゃんです…。
タラタラしてんじゃねえよ!は本番前に私が思いつきで最中さんに伝えたらやってくれました。愛しすぎます。
前回のnoteを書いた時、主宰の高野さんが
「1970年くらいというのは学生運動で一般企業に就職できなかった学生たちを、テレビ局や出版社が拾い上げたわけですよね。たらばがにのはるとウルトラセブンは同じ年。」
とリプライで教えてくれました。
意図せずテレビ関係のお話になったので、謎の運命を感じましたね…いやぁたのしかった。

「すべらない・すべる」
絵本三作品をやるにあたって、これは絶対やりたい!と立候補してやらせてもらいました。
とにかくこのお話、主人公のまきくんの勢いが大好きで。細かく絵を見ると、そそっかしやのまきくんの小さな失敗もしっかり描いてあります。
舞台装置となるカキワリもどきの絵は全部描かせてもらいました。
「おっかなどうぶつえん〜」がパワーマイムで、と言うことだったのでこちらは対照的に物攻めでいこう、と。
お客さまのどなたかが「仮装大賞」と言っていた気がしますが、あたりです。そんな話をしながら作っていました。
が、本番前日になってまだまきくんの顔パネルと黒板パネルしかできておらず、画用紙を貼る作業を役者の皆さまに手伝っていただきました…その節はどうもありがとうございました…。全部抱えちゃうの、本当に悪い癖…。
ともかく、大きな絵をたくさん描きました。
描いていて、気づいたことがあります。
昔から「線画まではなんとか見れるが、色を塗ると下手くそになる」ということが多かった経験から、絵の具に苦手意識がありました。
しかしこの絵本は、迷いのない主線も絵の具で描いてありますし色もところどころ混ざり合っていて、それがまた味となって最高の絵になっている。
では私もそのように、と思って、ほぼ下書きなしに一気に描きあげました。自分でも驚くほど良い感じの色合いが生まれたり、この色を先に塗ると濃くなるんだ、とかそういう気づきを重ねながら、無心で作業を続けました。……本番当日の朝に。
絵って、絵の具って、色って、こんなに自由に使っていいんだ、ということに気がついた日でした。
この事に気がつけただけでも、私視点だけでいうと、大成功の公演でした。
皆さま、是非、「すべらない・すべる」を見かけたら読んでみてください。とても楽しい気持ちになりますよ。

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こんな感じです。
なんだかすごく長くなってしまいました。
にしても、これで稽古日、4日(時間換算すると18時間くらい)とかですよ?濃すぎないか?本番当日のみ参加のひなたさんもそうだけど、みんな本番つよつよ人間すぎないか?野外やると本番つよくなるのかもしれないね、そうかもしれない。
平原の先輩たちとの素敵な記憶ばかり詰まった2023年3月でした。

ではまた、次の告知で!!


すみ

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