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三大欲求の食欲を妄想する~最後の晩餐に何を選ぶ?

最後の晩餐で食べたいもの。

いつでもほっとする味の母の茶碗蒸し?
それともパートナーが作るミートソーススパゲティ?
どちらも私の大好物。

母が作る茶碗蒸しは、祖母が作っていた味。鶏肉、椎茸だしを薄口醤油で味付けしたほんのり甘めもの。具はかまぼこ、しいたけ、かつお菜、餅など。無水鍋の蓋に水を張って地獄蒸しにする。蒸し器がなくても大丈夫。


かつお菜は福岡出身者には身近な青野菜。お正月のお雑煮には欠かせない。とはいえ、その時期が過ぎるとほぼ食べない。

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一方、パートナーが作るミートソースは、ひき肉の代わりに大豆で作られたベジミートが入っている。

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これならば、肉汁でコッテリしてしていない分食欲が落ちていても食べられるかもしれない。

このミート”レス”ソーススパゲティ、子供の頃に食べた味によく似ている。昔懐かしい気持ちにさせられるということもあって、時々リクエストするくらい。母は、ひき肉、たまねぎ、にんにく、ケチャップ、ウスターソースでちゃちゃちゃっと手軽に作っていた。パートナーはトマト缶を使い、各種スパイスを混ぜた本格的なもので意外と手が込んでいる。


ある日のこと。自分のことを”シェフ”と豪語する彼が、
「スパイスの分量を間違えたー」
とキッチンであたふたしていた。なんと、レシピの50倍のカイエンペッパーを入れてしまったと言う。鷹の爪と同じ位の辛さだから、一口食べれば口から火を吹きそうなレベル。確かに、漂ってくる匂いだけで別室にいた私も咳き込んだ。ペッパースプレーと同じ効果があったのかもしれない。

失敗して落ち込んでいるパートナーを前に、食べないわけにもいかなかった。実際に食べてみると、いくら辛い物好きのでも舌がしびれて味がわからなくなる。水が美味しい。残すとさらに落ち込むことは判っていたので、
きれいに完食した。
鍋の中には大量に残る劇辛パスタソース。小分けに冷凍して、後日ココナッツミルクやトマトソースを加えて辛口程度に味変し、捨てることなく全部食べた。これも愛よね。

最後の晩餐で食すのは茶碗蒸しか?スパゲティか?
パートナーは卵が嫌いなので、茶碗蒸しを作ってくれる可能性はゼロ。
スパゲティだったら、作ってもらえるだろうし、激辛味を思い出して笑いながらあの世にいけるかもしれない。

そう妄想していたところへ
”最後””最期”の晩餐は違う食べ物ではないか?」
という考えが浮かんだ。


人が最期に求める味は何だろうか?



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