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大変なときだからこそ

農場直営オーガニック野菜のサブスクリプション。
料金前払い。初夏から晩秋まで週1回、冬から春にかけて隔週で地元産の野菜や果物が手に入る。収穫は天候に左右されるので、野菜の種類や量が増減したりするものの、年間で考えればローリスクハイリターンの契約。生産者の顔も見える。

私たち夫婦が会員になったのは、先代から娘夫婦の代へと引継がれた年で、かれこれ15年の付き合いになる。当時はまだ珍しいサブスクだった。新しいアイデアやシステムが導入されたり、季節ごとのイベントが開催された。隣の農地を購入し、耕地面積も広がった。年々会員数は増加していき、その数はコロナ禍でピークを迎えた。インフレで食品価格が高騰していく中でも、料金は据え置きだった。全会員、農場からの恩恵を十分に受けてきた。
2023年、会員数が半分以下になったという情報が流れてきた。農場にとっては青天の霹靂だっただろう。

1月に入って農場から突然連絡が来た。
今までの方法では経営が成り立たないと。

耕作地を半分に減らすと同時に人員も削減。配送システムなども大幅に見直し、収穫できる野菜や果物が減るのに合わせて会員数も半分にするなどの今年度の年間計画が発表された。肝心のサブスク料金はクラウドファンディング形式で、目標額は日本円で約7000万円。このやり方が吉と出るか凶とでるか今はわからない。


農場経営が成り立たない一番の原因は人件費だと思われる。年間を通じて働く人達の給与をアップするには、サブスク料金も値上げする必要がある。
一方、市販の野菜や果物の価格は高騰しているものの、2倍3倍とまではならないのでスーパーと価格競争すれば農場に勝ち目はまったくない。

それでも、私たち夫婦は、サブスクとクラウドファンディングの2つを組み合わせた初の試みに参加してみようと考えている。
その理由はただひとつ。
美味しい野菜を生産してくれる農場を応援したいから。
それに尽きる。


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