憧れへの憧れ

最近、誰かに憧れて憧れてやまない、それ故苦しくて仕方がない。そんな人が描かれる映画を何本か観た。結果として、そんな人がいるという状況に憧れている。

大人になって、あんな風になりたい、と思うことがなくなった。多分なりたいと思うこと自体に恥ずかしさを感じるようになったからだと思う。

子供の頃は、それなりに憧れの存在がいた。PUFFY、魔女のキキ、若草物語のジョー、江國香織の小説に出てくる女の人達……その頃の憧れは、今考えてもやっぱりかっこよく魅力的な存在のままだ。

いつから憧れなくなったのだろう。憧れて、努力してもちっとも近づけないことに疲れてしまったのかもしれない。いや、寧ろ毎日をこなすのに必死すぎて少し先のこと、どこへ向かっているのか考える余裕がなくなっていた。

やっぱり憧れっていいなぁ。そう思ったのは今回が初めてではなくて、少し前、「キャプテン・マーベル」を観た母親が「お母さん、あんなふうになりたいわ」と言うのを聞いたのが発端で、そこから漠然とそういうのいいなという憧れを抱いていた。還暦過ぎの母親にも、あの物語が響いたのに感動したと言うのもある。

私は何に、どんな人になりたいのだろう。結局定まらないままだけど、もう半分が終わろうとしているこの2020年に、見つけられればいいなと思う。皆の憧れって誰なんだろう。聞いてみたいな。

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