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流行らせないで 流行らせる。

~売れるより売る仕掛けを考えろシリーズ第六弾~

お客様は神様なのか?!
金を払ってくれる人がいつも客なのか?
もんては 中古や金券ショップをしていましたが
商品を持ってきてくれる人たち売りに来る人たちのほうが大切な客でした。

もし 金券を買いに来る客を 売りに来る客がいたら
両方とも客には違いないのですが 売りに来る客のほうを大事にしてました。お金を払う為に宣伝もしていました。「高く買取ります」ってねw

視点を変えるということはこう言う感覚も含めて
変えていかなければならないような気がします。

高く買うから 自分の利益を最低限にしているという意味じゃありませんよ。
薄利多売ということを言いたいわけじゃありません。

金券ショップは、売手市場です。
金券が入ってこなければ 商売が成り立ちません。
デパートに商品券を安く注文できますか?
郵便局に収入印紙を大量に注文するから 安くしろと言えますか?
旅行代理店でもないのにJRに新幹線のチケットを
安く仕入れることが出来ますか?
不必要な人から商品券やチケットを
買って欲しい人に売るとても原始的なビジネスモデルの商売です。
だから売る人がいなければ成立しません。

一方 買う客が 怒って帰ったとしても 関係有りません。
本来安く出来ないものを安くするという商売だから
買う客はいなくなりません。
何故なら 買いに来た客は、金券を買ったとたん
本来の価格との差額という利益を得るからです。

他の商品は 買ったとたん償却が始まったり中古になって損をしますが
金券は お客が買ったとたん、手に入れたとたん得します。
だって 払わなきゃいけない金額を節約できるからです。
その商品である金券を売りに来る客のほうが店として断然大切なのです。

本来と言うか、お金をいただくお客様に頭を下げるのではなく、
自分に利益を与える先の関係とは WINWIN以上のWINWINWIN すなわち近江商人の「三方好し」であって
さらにその全てに感謝をすることが大事です。
 但し、感謝の気持ちはあっても 卑屈になったりする必要はありません。
それは顧客側にしてもそれぐらいの対等性があっても構わないわけです。
金券ショップに金券を持ち込んでくれる人達にとっても
なるべく高く買ってくれる店は助かるはずです。

自分が欲しい商品券を安く売ってくれる店があれば
買う人も助かるはずです。
それを取り持つことで利益を得る商売人の事を
卑しい商売だと思う方、金を払って買ってやっているんだ
というような方に売る必要はないんですよ。

金券ショップを始めた頃の事です。
自分の娘が結婚するのであるデパートで引出物を購入するために
商品券を350万円ほど買いたい。
お前の店では通常95%で売っているが350万円分ならいくらにしてくれるか
と恰幅のいい紳士がやって来て言いました。
そこでもんてがいったセリフは、以下のどれでしょう?

①2%アップの97%でならお売りします。
②お食事券を1万円分つけますのでそれではいかがでしょうか?
③値引きをすることは出来ません
④通常より2%引の93%では いかがでしょうか? 
⑤あなたのような態度の方にはお売りできません。








正解は、①2%アップの97%でならお売りします。

そのお客さん、怒りましたね。
でも考えてみてください。
商品券は、売りこまなくても売れるんです。
350万でも500万円1000万円でも
在庫過多になることはありません。
まあ、九州の田舎でしたから少し時間がかかることはありましたが
商品券はあればあるだけ黙っていても売れます。
それをひとりのお客さんにまとまったからといって安く売る理由がないんです。

それどころか、商品が足りないのですから
まとめて欲しいというお客様なら高く買っていただかなければなりません。
10万円買ってくれるぐらいのお客様はざらにいらっしゃいます。
なにも安く売る必要もないのです。
逆にひとりのお客様に得をさせるより多くのお客様に得してもらって
店のファンを作るほうがいいですし、ひとりに対して割引せずに
多くのお客様に普通の利益を確保しながら
「あなたの店はいつきても在庫切れがなく揃っているからいいね」
と喜んでもらえるんです。

お客さまはそれぞれ人によってキャパがあります。
・デパートに行く前に寄って少しでも得した気持ちになりたい人
・前述したお客様のように一時的に大きく得したい人
・仕事の事情でデパートの支払を毎月しないといけない人
等々、いろんな方がいます。
その中で 一番大切な事は在庫切れを起こさないことです。
店頭に出せば出すだけ売れてしまいます。
一旦売れてしまえば開店休業状態のこともありました。
中元歳暮の頃は もうそりゃあ大変です。

ですから 金券ショップの極意というのは
いかに商品を集めるかにかかっていて
元々売れる商品券を安く売る必要など無いのです。
お客様に対するサービスは 在庫切れをさせない。
他の商品券や金券で得する方法を提供する。そういう商品を探すということのほうが良いサービスです。必然的に 買いに来てお金を払ってくれるお客様より 売りに来て店がお金を払うお客様のほうが 大切になってくるのです。ですから お金を払うのに「ありがとうございました。また売りに来てください」とお金を払って頭をさげるのが商売になってしまうのです。

皆さんの常識とは違うでしょ
もんてがしたビジネスではそういう事が多くありました。
中古電化製品販売でも社員が出張買取から帰ってきて
「社長、ちょっと汚れていたので電話で言ったよりも安く買えました。」と もんてを喜ばせようという顔で言いました。ところがもんてからは
「なんで言うとおりに高く買わなかったか?!」と怒られてしまいました。
本人は理解ができない様子。

それでなくても 中古電化製品ビジネスは今と違って粗利は高い。
電話で言った相場以下で買うと、騙すことになる。
なるべく電話で正確な相場を伝え地域で一番高い価格で
そして、お客様が納得できる価格で買い取る。
それが評判をうみ、いい商品を集めることになり、
買う客が増え、利益が上がる。
その為には 査定を如何に正確にして高く買えるかがポイントに成ります。
稲盛塾長の「値決めは経営」を毎日やらないといけない商売なのです。

流行らせるということはそういう事です。

宣伝や広告、見た目だけで 流行らせるというのではありません。
商品の新しさだけで 切り込んでいくのも難しいです。
昔はみんな、雑誌やテレビで紹介されたお店や商品に飛びついたものです。
消費者だけでなく、さらに他のメディアも後追いしました。

それを見て飛びついた客がその商品やお店の質がイマイチであっても、
「こんなもんかな?」と思いながらも、世の中のトレンドの先取りとばかり
店の紙バッグや商品を見せびらかせてくれて 連鎖的に拡がりました。
しかもそのトレンドに合わせた方がかっこいいと考えてくれていました。
だからマスコミに取り上げられるということは非常に重要で、
効果も高かったわけです。

もんてなんか、テレビ取材などが入ると宣伝なんかより
はるかに効果が大きいので 取材で帰る時には、
なるべく引き延ばして 夜まで引っ張り 食事まで出そうとしたものです。
一度などは「おとうさんバンザイ!!」という
お父さんの仕事を 取材するという番組のコーナーで
夜遅くまで取材で付きまとわれて 正直、仕事の邪魔でしたw
でも 心の中で (辛抱辛抱 コレだけCM流したら いくらかかる?40万。。。40万。。。と) つぶやきながら 最後10時半に 終了して
こちらから お疲れ様でした。
とビール出したら メチャ感謝された事もあります。
普通の取材で勤め人の人の取材だと 本当に迷惑がられると言っていました。でも もんてはその効果をよく知っていたのです。
新聞やマスコミに取材されるとその情報を聞きつけた他のメディアが
また取材に…というふうになって、紹介されたりするだけで
次の日なんて てんやわんやでしたw

ある時は 私の会社がやっていた会社に 泥棒が入りました。
普通なら泥棒に入ったことを恥ずかしくて
人に言えないようなことですが私は逆でした。
すぐに知り合いの新聞社の記者に電話をしました。
翌日の地元の新聞に3段の大きさで社会面に取り上げられました。
「中古電気店で窃盗 ファミコンや高級ステレオなど 250万円相当」
記事も詳しく出ました。
何を盗られたか、中古の電化製品を買取る店だということもw
警察からは 怒られました。捜査の邪魔だということでw
でも次の日から 店のほうはすごい繁盛です。
250万円なんて すぐ元を取りました。
しかも 保険金が下りましたので実質的な被害などほとんどありません。
すごい宣伝効果です。
もし新聞に広告として出していたらいくらぐらいかかっていたでしょうか。
笑が止まりませんでした。泥棒は、憎かったですけどね
後から捕まりましたけど。。。

しかし今は少し違ってきているようです。
もちろん雑誌やテレビで報道されると一時的には
人が動く事に変わりはないのですが、そこからの流れが違ってきています。
「買ったけどイマイチだった」とか、「どこどこのほうが好き」とか
「これなら あっちのほうがマシ」といったような評価コメントが
SNS等の口コミで すぐに共有され、情報通の人から知れ渡っていきます。

マスコミ報道やメディアによって「初動的広報」は獲得できても、
その効力は著しく短くなっているのです。
ブームが昔に比べて早くしぼみ 長続きしない傾向の理由がここにあります。

ではどうすべきなのでしょうか?

評判になった後でも生き残るために問われるのは
結局、商品や内容、サービスの「質」であり、
その品質を担保するのは作り手や売り手、
サービスをする側の熱意や気持ちでしかありえません。

飲食店であれば、
絶えまない料理の改良、盛り付けの工夫、調理の手際の上達。
店内の管理や接客サービスの向上など「お店としての当たり前の努力」を
どれだけ 愚直に続けていけるかが問われます。
こんなことはもともと努力している経営者や企業からしてみたら
「当たり前のこと」です。

ネットショップやネット上でのビジネスではどうなるでしょうか?
コレも同じです。飲食店と同じような考え方で 考えてみてください。

HPやネットモールへの出店するだけで
全てがうまく行くなんて 時代ではありません。
それは10年前のネット販売だったり5年前のネットモール販売だったり。
かといって 楽天などの担当さんの指導を確実に実行したらいいのか
そんなこともありません。
すでに彼らは データを振りかざして 自分の言いように解釈しながら
自分の成績や実績のために 指導しているという実態があるからです。
もちろん 彼らが言っていることにも当たり前のことが含まれていますし
データを握っているのは彼らですから
その中で 必要な事を判断する 判断力と知識と理論が必要なのです。

いままで もんてに相談してきていた多くの方々は
インターネットやマーケティング、宣伝や広告を
魔法の杖のようにとらえており、そこで話題さえ作れば
なんとか売れると考えている。
もんてのもどかしさがあります。

売れる商品、売れる仕組みとはよくもんての使う言葉ですが
そんなものは 1山100円とか 福袋みたいに1袋5000円とかで
詰め合わせて売っているようなものではありません。
そんな魔法の杖みたいなものなんてなくて、日々できること、
思いついたことをちょっとずつでも 自分に合わせて カスタマイズして
形に落とし作っていくしか方法はありません。

だからもんてが提案することは、目に見えない考え方だったり、
すごく地味に見えたり、「え、そんなこと分かってるよ」
というものになりがちなんですが、
外部の目から見て「そんなことは当たり前」、
「時間がないから お願いしようとしてるのに パッパッと出来ないの?」
 なんて思われてしまうのですが
最低限の事から 始めて 続けることが 基本で その基本の部分だけでも、
実はけっこう違ってくるものなのです。
それが分かる方や分からない会社なんかがあって、
後者の人や会社が相談者だったりすると結構大変だったりするわけです。

実は 今回の話は 流行らせる事ではなく
流行らせないで 流行らせる事にあります。
流行らせてしまうと 真似されたり 競合相手を作ったり
自分で自分の首を絞める事も 多くあります。
話題になる事はいいのですが 世の中には 自分達より 資金があったり
自分達より 知識があったり 中国で言えば コネがあったりで
すごい人々は たくさんいます。
もちろん そういう人が 噂でも聞いて 自分達の味方になってくれて
投資でもしてくれればいいのですが
普通はそんなことなんかありませんよね

敵を作りながら 世の中を 歩いていくのは 大変です。
もともと、競争相手が多い世の中で さらに敵を作りながら
ビジネスをやっていくなんて もんては とてもやりたいと思いません。
もちろん すでに実績のある競争相手と同じ土俵で
同じ商品を同じやり方で やるというのも 結果は明らかですよね。

「流行らせないで 流行らせる」事が出来ればどうでしょうか?!
いわゆる「知る人ぞ知る」という場所で やれば どうでしょう?

もんてが 常に心がけ目指している事は『顧客独占』です。
『顧客独占』なんて できるはずがないと 思われていると思います。
もんての言う顧客独占と 今皆さんが考える顧客独占は少しだけ違います。
その話はまた別の機会に。。

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