見出し画像

子どもも出展側も、楽しく考えて学ぶ。京都スペーサーのタングラム体験。

2022シーズンのJ2リーグが開幕し、今年も山形県総合運動公園にあるNDソフトスタジアム山形でモンテディオ山形のホームゲームが開催されています。モンテディオ山形では、昨年からSDGs(持続可能な開発目標)を広める取り組みを、SDGsパートナー企業とともに行ってきました。今シーズンも、全てのホームゲームでユニバーサルスポーツや体験コーナーなどのブースを設け、様々なアプローチでSDGsに関心をもっていただけるよう取り組んでいきます。

大阪の建材メーカーがSDGsで山形に

3月26日(土)東京ヴェルディ戦で行われたのは、SDGsパートナー企業でもある株式会社京都スペーサーによるタングラム体験ブースです。タングラムというのは、三角形や四角形、台形といった々な形のピースを組み合わせながら、問題で提示された形に並べていくシルエットパズルです。完成形を想像しながら並べて遊ぶので、想像力やイメージ力などを育む数理パズルとして、子どもから大人まで楽しむことができます。今回のブースでは、同社が作成したオリジナルタングラムで「はくちょう」「こども」「やじるし」といった々な問題にチャレンジしてもらい、希望者には実際に遊んだタングラムをプレゼントしました。

京都スペーサーは、大阪府に本社を置く、建築・土木用資材の製造、加工および販売を行う総合メーカーです。リサイクルや教育といった点でSDGsの活動を行っていて、昨年からモンテディオ山形のSDGsパートナー企業に加わりました。京都スペーサー管理部の辻󠄀大祐部長は「元々、従業員と地球を大切するSDGsの取り組みをもっと本格的にやろうと考えていたところで、モンテディオ山形さんから声を掛けていただきました。モンテディオ山形と協業することで、社内の従業員や社会全体にSDGsの活動をアピールできると思います」と、縁のなかったモンテディオ山形で活動する狙いを話していました。

ではこのタングラムという数理パズルが、SDGsにどう関わっているのでしょうか。実はこのタングラム、ピースの素材が同社で製造しているスペーサーの端材として出る鉄をリサイクルして作られているのです。

スペーサーというのは、鉄筋コンクリートなどの建物を作る際に、中に埋め込む鉄筋を支えておくもの。鉄製やプラスチック製が多く、プラスチックは完全にリサイクルできているものの、鉄だけはどうしても端材が出てしまうため、それを有効活用することで、エネルギー問題解決に取り組むのが狙いのひとつです。実際にピースを触ってみると、市販されているタングラムとは少し違った鉄の重みがあります。子どもにとってはいつものおもちゃと違った新鮮味があり、大人にとっては少しレトロな雰囲気が感じられるかもしれません。色はモンテディオカラーのブルー、イエロー、ホワイトと、京都スペーサーのコーポレートカラーのレッドをコラボさせていて、格好良いデザインですね。

京都スペーサーが描く「見えない力の具現化」

そしてこのタングラムブースの企画には、同社が描くもう一つの狙いがありました。この端材を活かしてタングラムを作るというアイデア。実は京都スペーサーにインターンシップで参加している学生が考えたものでした。「見えない力を具現化する」という同社の企業理念に基づいて、モンテディオ山形に出すブース企画をインターンシップの学生に一から企画してもらったのです。辻󠄀部長は「京都スペーサーとしてやる意味のあるSDGsとは何かを考えてほしかった」とその狙いを話していて、「考える」という見えない力を育もうとする同社の思いも伝わってきます。

実際、企画のアイデアからプレゼン、設計、製造部への発注個数の決定といった細かいところまで、そのほとんどをインターン生が主体となって進めたそうです。このブース企画に参加したインターン生は、安川英怜奈さん、藤本美空さん、東篤志さん。3人はまず、SDGsそのものについて学び、それをモンテディオ山形とどう結びつけるのかを考えていきました。

SDGSで出来ることを学んでいく中で、「SDGSの教育という目標で、遊びながら楽しく考えるきっかけを作ってもらえるように」(東さん)というところから、数理パズルのタングラムを作るというアイデアにたどり着きました。そこから、「鉄の端材を使うことができると知って、色を塗ったらSDGsのアピールにつながると感じました」(藤本さん)というリサイクルへとアイデアが広がり、ブースの全体像が見えてきたそうです。この活動を通じて、インターン生たちはSDGsそのものを知って関心を持っただけでなく、「タングラムのアイデアに行き着くまでがすごく大変で時間がかかりましたが、インターンで色々な活動をさせてもらうことで、学ぶことが多かったです」(安川さん)という、自分たちで考え行動し、結果を出す成功体験も得られたようです。

「SDGsの活動は地球の環境を守るだけではありません。それこそ教育の機会を均等に与えるというSDGsの目標ですよね。我々はその教育にも取り組みたいと思っています」(辻󠄀部長)

 SDGsと聞くと、エネルギーや気候、貧困、ジェンダーといった目標が目に付きやすいですが、「質の高い教育をみんなに」という教育の目標もあります。子どもから大人まで楽しみながら考えるだけでなく、企画して出展する学生も考え学ぶ機会を設けていく。そんな貴重な場になったのではないでしょうか。

最後に 

京都スペーサーのタングラム体験ブースには子供から年配まで々な方が訪れていて、最高難易度の問題に頭を抱えるサポーターや、問題が解けて手を叩いて喜びながら次の問題にチャレンジする子ども達の姿が見られました。

中には無言になるほど夢中に楽しむお子さんもいて、「カメと小鳥をつくった。初めてやったけどすごく楽しかったです」と笑顔で話していました。そのお母さんが「鉄がリサイクルされてパズルになるとは想像できなくて、余ったものが無駄にならないようにする活用方法はたくさんあるんだなと感じました」と感心しながら話していて、SDGsの取り組みに楽しみながら興味を持っていただけたと感じました。

モンテディオ山形SDGsコーナー体験記 vol.22
2022/3/26(Sat)
第6節
vs 東京ヴェルディ

嶋守生

●SDGsパートナー

株式会社チェンジ・ザ・ワールド
THINET
イーレックス株式会社
株式会社ミズサワセミコンダクタ
山形朝日株式会社
株式会社京都スペーサー
株式会社ソフィア
株式会社スマートチェックアウト
株式会社ライフエッグ
株式会社メイコー
日本電子株式会社
渋谷建設株式会社
カイクラ
株式会社日本エコライフ
株式会社庄内クリエート工業

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!