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クラシックフォト追究の旅 #01

クラシックフォトとは、ファッション性に富んでいて大衆が好きであろうという卑しい意図がこもった騙し絵ではなく、ソウルのこもったアーティストが撮影する本物の写真です。


その時を映す写真と、あの時の思考を綴る日記

この連載では写真の理論や手法を語るのではなく、あくまで私の価値観になぞらえて写真を紹介していきます。おそらく写真については深く語らないと思います。ブログの内容は、その時の考えや雑談が乗せられている気がします。目標もゴールもありませんし、かなり自由な日記のようなシリーズとして続けていきます。文中には独特なキーワードがたくさん出てきますが、コンテクストを鑑みて雰囲気をつかんでいただけると幸いです。

機材の紹介

まず私の使用機種を紹介しましょう。2023年に話題になりましたLUMIX S5Ⅱですね。写真はGoogle Pixel 8で撮影しています。レンズは基本的にVoigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 SCを使用しています。あとはLUMIX S 50mm F1.8とCONTAX Sonnar T*90mm F2.8を使い分けています。映像との両用ですので、FALCAMのケージにSennheiserのマイクが装着されています。愛用しているストラップは、奥さんからベースギター用の使用しないものを譲り受けました。

とりあえずは満足していますが、持ち運び便利なコンデジかaps-cサイズ機種が欲しいと思っております。望遠レンズはもちろん欲しいのですが、Voigtlander APO-LANTHAR 35mmを次に狙っております。しかしプロレタリアートなので資金もなく我慢……というところです。

愛用のLUMIX S5Ⅱ

写真の面白さとは

私のフォトライフは映画がきっかけです。好きな映画監督はデヴィッド・リンチとデヴィッド・クローネンバーグで、サイレント映画や記録映画も好む異質なオタクではありますが、色彩や構図への確かな感性は持ち合わせていると自負しています。映画オタクとして撮影技法や機材への好奇心があったこと、そしてショットの目指す極致は写真だと思いますので、結局はミラーレス一眼に手を出してしまったということです。

いかにも面倒臭そうな人間の私ですが、今回の記事では写真の面白さについて、自分なりの考えを出してみようと思います。簡潔(?)にまとめると、次の3点かなと思いました。

① 感性:自分のセンスを試す
私は先にイメージが来て配色や配置を決めた上で、ここぞというシーンを撮影します。多くの写真家はスナップショットで偶然を捉えることに重きを置いているのだと思いますが、私はなるだけ構図というものを決めて、どこからどこまで組み込めば面白い絵になるか、ということを常々考えています。ただし構図論みたいなものは儲けたいおじさんの嘘っぱちかと思います。本当に面白い絵を撮りたいのであれば、原理原則もしくは常識的な論法に乗っかっていても、突き抜けた面白さにはつながらないと思うからです。何を被写体にしてどこからどこまで組み込むかは、撮影者が采配できるはずですし、その采配には数十年蓄積されてきた価値観や美的感覚が大きく反映されると考えています。

それぞれの人生は全く異なるので、撮影された写真も全く異なるはずです。そして今自分はどういう感覚を持ち合わせているのか、他人や一流のアーティストの描く絵とどう違うのか、写真で試すことができるのではないでしょうか。

フレームワーク、角度、焦点は個々人の価値観次第

② 記録:リアリティを構成する
資本主義による分業制や生産効率化、そしてテクノロジーの進化による監視社会。さらに家庭をお持ちの方々には、自分の時間などつくる暇もない現代社会です。文化人の方々でも、しばしば趣味を諦めざるを得ない、というような状況かと思います(それは絶対にやめてほしいのですが)。片や、それでも趣味なくして人生はない、という方でしたら、膨大な情報量に脳のキャパシティが追い付かないことが多々発生すると思います。特段大切にしている思い出でなければ、やはり忘れてしまうのが人間の性なんですよね。そこで写真は忘却に抗う手段になりえると思います。脳は構造上、記憶を分解・再構成しながら保存し、そして修正を重ねるので、バイアスがかかることで非現実へと編集されます。ただし、写真はその瞬間の現実を不変に構成します。

私は写真やカメラの歴史には詳しくないのですが、1900年代の初めにドキュメンタリー映画は現実を構成するものとして、芸術文化に受け入れられました。同様にカメラというテクノロジーによって、記録し保存することは、仕事が忙しい方々への助けになりますね。

ポルトガル料理の美味かったイワシ

③ 浪漫:フロンティアを築くカウボーイ
小見出しタイトルは少し粋な言葉にしてみました。浪漫はわかっていただけるかと思います。よく語られるのは所有欲ですね。クラシカルなフォルムと、重量感、手触りの良さ、etc……、のような諸々の圧倒的な物質感に踏まえて、やはりマシン(電子機器)という部分で、所有や蒐集への浪漫を感じます。レンズ含め、映像系のガジェットに凝り始めれば楽しくて仕方がないです。個人のカスタマイズ可能なマシンという意味では、車やバイクと同様かと思います。楽器なんかも、ケーブルやアンプ等の周辺機材を踏まえると、かなり近しいものがありますよね。

では「フロンティアを築くカウボーイ」がどういう意味?についてですが、カメラマンは殆どガンマンなんです。ファインダーを覗きこみ狙った先を切取ることは、そのシルエット含めて銃撃するガンマンと同類に感じられるのです。スナップショットという言葉はそもそも早撃ちという意味です。アメリカ大陸開拓の時代に腰に携えていた拳銃が、比較的平和に過ごせる現代でカメラに変化したに過ぎないのです。そして多くの西部劇映画で表現されるように、カウボーイはアメリカ大陸開拓の歴史から、新しいものを見出し築く人と位置付けられます。カメラマンもそうあるべきという意味で、「フロンティアを築くカウボーイ」とタイトル設定しました。カメラが好きな人は皆、自分の写真を追求するクリエイターと思っています。

革ジャンの友人ガンマン

こういった感じで偏った個人の哲学を並べながら、この日はこういうものを撮りましたと、日記のように綴っていくかと思います。


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