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64. 喧嘩が怖くて、愛が怖い。

まっすぐ愛情を向けられると、いつかおきる喧嘩が怖くて、目を逸らしたくなる。

好きだよ、という言葉が、(成果や見返りを)期待しているからね、と聞こえてしまう時がある。自分の気持ちが追いついているうちはいいんだけど、いつの間にかその期待が私の気持ちを追い抜いて、せっかく好きだって言ったのに!と喧嘩になるのが怖い。

人と喧嘩をしそうになったら、真っ向から戦うよりも、考えを変えるか、諦めるか、どちらかにしてしまう。私なりに言えば、自分に合わせて相手を変えようとか説き伏せようとか導こうみたいな気持ちは傲慢だという戒めも込めて、自分と違うと思ったらそっと距離を置くようにしてる。相手に変わってもらうようにお願いするのってなかなか勇気がいるから、あまり話し合いにもしないで逃げてしまう。

でも好きなんていわれてたら、いつかそんな場面が来た時、そっと距離を置こうとしたって無理なんだ。逃がしてもらえなさそうだ。
軽々しく私も好きですなんて顔をしたら、あの時あなたも好きって言ったでしょって、腕を強く握られてしまいそう。それを受け止めてなお、自分に素直に意思表示できる自信がない。

誰かの期待の水準を探して、そこに向かって努力をして、それをいつもすり合わせて。善意を向けてもらったらそれを返さなきゃいけなくなるなら、いっそのこと誰からも向けられない方がのびのび生きられる、のかもしれない。
という、贅沢で生意気で寂しい悩み。

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