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フランスの隣人問題とオペラ系女子

日本でも隣人問題は良くある話だ。
関西人が隣人にでもなってしまえば東京のお嬢様は怖くて夜も眠れないだろう。
パリのアパートは築100年なんて当たり前にある。
実際筆者の住んでいるアパートも築年数で言えば140年ほどであった。
なので音が響いたり異常に壁が薄い部屋などもあるそうだ。
筆者が住んでいる部屋はパリにしては防音がしっかりしている方で声なども殆ど聞こえない。
壁も分厚い重い壁だ。
だが一つ、ドアが軽くて薄い。
これはパリのアパートあるあるらしがドアが薄いので廊下で話す声や足音はモロ筒抜けになってしまう。

因みに筆者のフロアは5部屋ほどあるのだが基本的に皆な静かだ。
筆者もフランスにお邪魔させて貰っている以上、隣人に迷惑はかけまいと生活をしている。
だが筆者の右隣の部屋にはオペラ歌手が住んでいる。
筆者はそいつの事をオペラと呼んでいる。
いつも決まった時間に何やら歌を歌っているのだ。
その歌がフロア中に響き渡っているのだ。
つまり部屋の構造がよく分からないがドアの前で歌っていると筆者は考察している。
恐らくドアの前で立ち寝するくらい狭い部屋なんだろう。
でなければ扉の前でオペラを歌うか?
イカれてる。
こいつはロマン派でも古典派でもない、刑務所の独居房派だ。

そして左隣にはヒジャブを被った女性が住んでいる。
彼女も決まった時間に歌の様なものを歌っているのだ。
恐らくコーランを読み上げているのだと思う。
これもまたフロアに響いてる。
恐らくドアの前で立ち寝するくらい狭い部屋なんだろう。

筆者は様々な人種による宗教と考え方に寛容的であるが、シンプルにうるさい。

ある時、またオペラがオペラを歌っていた。
丁度筆者が家を出る少し前に家を出た様でエレベーターを待っていると下から男性と女性が上がってきた。
筆者の隣の部屋に入る彼女を見て指を刺して思わず、
「オペラやん!」
と関西弁で声に出して言ってしまった。
オペラと言うワードに一緒に居た男性は爆笑していた。
どうやら男性をエントランスまで迎えに行ったタイミングと俺が家を出るタイミングが合致してしまった様だ。
オペラよ、主人公は筆者だ。

オペラは顔を真っ赤にしていた。
それ以来部屋を改装してデカくしたみたいだ。
オペラの歌声は小さくなった。

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