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外国人は日本の「お通し」文化が大嫌い

前回の記事はこちら。

今回の「ワイングラスのむこう側」は、お酒を飲む夜のお店に付き物の「お通し」のお話。外国人はこの「お通し」が大嫌いだとか。なぜ嫌われるのか、「お通し」文化について考えます。

「お通し」とは一体何か?

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

僕のnoteに、「外国人の友人が日本の居酒屋でお通しが出てきて、怒ってしまった。彼は、それはお客さんを騙している、と思ったみたい。どうして日本にはお通しがあるのでしょう?」という質問が来たので、今回はそれを考えます。

古いタイプのお蕎麦屋さんでビールを頼むと、ちょっとしたオツマミが一緒に出てくるんですね。それはもちろん無料でして、そういう「料理が出てくるまでの間のお酒のオツマミ」っていう習慣が元々日本にはあったようなんです。あくまでも「お店側のサービス」です。

それが昭和のはじめ頃から、「お通し」「突き出し」として200円とか300円くらいのお金を取るようになったのが始まりだそうです。

その流れとは別に、「お席料」とか「カバーチャージ」というジャンルがあります。例えば、銀座の高級クラブって、座っただけでひとり5万円、なんてことがあるらしいんです。また、スナックだと「セット料金」という名前でひとり2000円くらいかかったり、バーにおいてもチャージとしてひとり500円くらい請求されることがあります。

バーやスナックで「お席料」が発生するのは、一説によると「日本人はお酒が飲める人と飲めない人の差が大きいから」だからだそうです。確かに、お酒の単価が高い銀座の高級クラブで、お酒飲まないで居座られたりすると、経営的に難しいのかもしれませんね。

あるいは「お店の格」という意味合いもあります。「座っただけで5万円払える人だけ来てください」とか、「チャージ2000円が気にならない人だけ来てください」と言い換えることもできるかもしれません。そういうお店ではお通しが出てくる場合もあれば、出てこない場合もありますし、出てきてもお店によって金額はかなり違います。

ちなみに海外でも、お酒専門のバーのようなお店やレストランだと、この「カバーチャージ」、「お席料」、あるいは「サービス料」って普通にあります。例えば、イタリアのリストランテにいくと「コペルト」というのがありまして、それも「お席料」のことなのですが、パンが出てくるんですね。まあそのパンが「お通し」のようにも見えるのですが、それについて「パンなんて注文してない」とは誰も言わないようです。

あるいは、アメリカには「チップ制度」がありますよね。これ、建前上は「お客様がサービスに満足してくれたら、サービススタッフにチップをお願いします」ということになっていますが、「チップは出すのが当たり前」になってますよね。これも「お客様がもし満足してくれれば、もし気前が良ければ、出してくれると嬉しいです」という建前だから、誰も嫌がったりしないのでしょう。

お通し、チャージ、チップ、サービス料

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