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大人は1日1回は嘘をつく

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今回の「ワイングラスのむこう側」は「嘘」のお話。あなたはふだん、嘘をつきますか? どんな嘘をつくのか、ちょっと考えてみましょう。

記憶は都合よく書き換えられる

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

僕がまだ小学校に上がる前くらいのこと。両親が、NHKの公平性とか公共性みたいなことを話していて、「NHKはCMがないから」と言ったときに、僕が「NHKでCMを見たことある」って言ったんです。

うちの両親、特に母親のほうが、そういうとき子ども相手に、「そうかもね」って取り合わないんです。「それは絶対にありえない」って決めつけまして。

記憶ってよく「書き換え」られます。例えば、親が小学校低学年くらいの子どもに「あなたが3歳の頃、犬に追いかけられて泣いた」っていうエピソードを話すと、そんなこと全く覚えてないのに、そういうことがあったかのように記憶を書き換えるんです。

そのとき僕も、「絶対に見た。NHKでCMやってた」って気持ちがドンドン増してきまして、しつこく食い下がったのですが、母に「それは間違いだ。それは嘘だ」としつこく言われたのを覚えています。

たぶん、両親の会話になんとなく参加したかったり、ちょっと違う方向の意見をしてみたかったりしただけなんだと思います。でも、途中からは自分で見たような気にドンドンなってきて、「絶対に見た」って気持ちになったのでしょう。子どものそういう「嘘」ってありますよね。

先日読んだ『ドーパミン中毒』という本にこんなことが書いてありました。

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