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入院生活(とある1日)午後から編

なんだかんだで午後のリハビリが終わり自分のベッドに戻るんだけど個人的には実はここからがとってもしんどい時間になる。
それが何かと言うと他の患者さん達で自ら歩行や立位が無理な人達のリハビリをそれぞれのベッド上でしてる事。
「それが何?」と思うでしょ?
これは極々個人的な事なので何でもない人には何でもない。
まずベッドから動けない人は高齢者が大半で、若い人だったとしても結構依存心の強い人だったりする。
そしてこのご時世当然面会は出来ないので日常的な話し相手はたまにやって来る医師かナースかになるがこの人達は常に忙しそうでのんびり話し相手になる余裕は無くて自分達の用を済ませるとそそくさと部屋を出て行く。
次に看護助手(介護士)、彼女らは彼女らでオムツ交換や配茶やらで数を熟さないとならない仕事を抱えておりやはり患者(しかもやや耳の遠い高齢者)相手に雑談出来るベテランは中々居ない。
ところがリハビリ担当の理学療法士はリハビリが終わるまでは傍に居る。
ちょっとでも動いてもらおうと励まし宥め色々声を掛けてくれる。
日々に退屈している高齢者にこれほど最適な話し相手は居ない。
そしてエンドレスでしかもデカい声で確か昨日も聞いた話題を繰り返す。

これってね、平均的な聴力の持ち主である私には堪らない。
だってそうやって会話を楽しみだすのが1人や2人じゃない。
そして前述の通り耳の遠い高齢者達の会話は大音量で何種類も聴こえる。
物凄い不協和音で頭が痛くなる。
かと言って他人の数少ない楽しみを取りあげる気にもなれず。
歩行の自主練習と言いながらアテも無く病棟を歩き回る。
お陰ですっかりリハビリに熱心な感心な患者だと誤解される事となる。
単純に部屋に居ると煩くて堪らんから避難してるだけなんだが。
そして歩き疲れて部屋に戻りまだ不協和音が響いている時は耳にイヤフォンを突っ込む。
色即是空空即是色。

そうする内に私にとっては空腹を満たす以外に何の目的も無い夕食が配膳され、いただいた後にまた
ふらふらと洗面所に向かい歯磨きをして部屋に戻ると夜勤のナースが体調伺いやバイタル測定に来る。

そうこうする内に時刻は大体20時になり、眠前薬のある患者さん達にナースが配薬を始める。
因みに私は食後に1回分ずつ配薬してもらえたのは起き上がれなかった2日間だけで3日目からは10日分くらい入った(何種類か同じ袋)物を渡され「御自身で管理お願いしま~す。」と笑顔で言われてそれっきり。
頓服を求めた時しか来て貰えない。

そして21時に消灯される。

「今夜は何回目が覚めるのかなぁ……。」と思いながら寝返り出来る様になった事を喜びながら目を閉じる。

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