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人事の仕事とは?を考えてみた①
弊社では2年前に人事部が創設され、現在私が責任者をさせていただいている。経緯として、過去の私の失敗から学んだ結果とも言える。
現在私は37歳であるが、20代の頃の私はとんでもない勘違いをしていた。
働く人は皆自発的に学び、成長意欲がある
具合が悪い事に、これを本気で思っていた。
このような考えが根底にあると、マネジャーになった時にうまくいかないことは想像に難くない。細かいことは省略するが、おもしろいほどうまくいかなかった。その当時、自分なりに真剣に考えてもみた。
なぜ、こんなにも上手くいかないのだろうか?
出た答えは、”人それぞれ”だから。
この単純明快な答えを出すのに、結構時間がかかった。
自分は俗に言う、意識高い系だったと思う。仕事ができるかどうかは別として、意識は高かった。自己投資は莫大にしていたし、休日という概念はあまりなかったし、法が許せばどれだけでも働けるタイプだった。
そう、自分の物差しでしか周りが見れなかったが故の失敗談である。
この失敗から、今後会社を発展させていくために必要なことは”組織化”だと考え、人事部創設を提案した覚えがある。その時から「人事とは何か?」を考え続けてきたので、本日はそのまとめを綴りたいと思う。
人事の仕事とは?
私はなんでも本から入るタイプなので、当初は人事とつく本を片っ端から読んだ。そこには、だいたい同じ内容が書かれていた。
・採用・育成・評価
・労務管理
・制度設計
・戦略経営としての人事
当時の私は人事の具体的な業務内容についてではなく、”人事部は何のために存在しているのか”?という問いに対する、納得のいく回答を求めていた。
その回答に出会うことがなかったので、自分で定義することにした。私が作成し、スタッフに伝えている定義は、
顧客に最大限の価値を提供するための環境設計と仕組みを構築する部署
私の中で経営の要素の一つに人事があると捉えている。以前経営とは?の章でも綴ったが、経営とは”企業理念実現のために組織の資源(人・物・環境・資金)を効果的かつ効率的に活用・管理し、顧客に価値を提供することで、計画された利益を産み出し続ける活動全般のこと”と定義した。
そのため繰り返しになるが、顧客に最大限の価値を提供する環境設計と仕組みづくりが弊社の人事部の仕事とした。
ちなみに価値とは?は前回綴ったので宜しければご覧ください。
規則・ルールの明確化と運用
不安・不快・不信を抱くことない環境設計が大切だと考えている。
職場では様々な人と関わる機会が多い。そのため、様々な感情を抱くものである。不安・不快・不信を制度設計により払拭することは至難の業だ。私が考えているのは、余計な不安・不快・不信を抱かせないようにすることである。
余計なとは、難しい副詞だ。
日常生活に置き換えてみよう。学校や職場など、様々な人間関係の中で生活をしているため、抱く感情も多岐に渡る。ポジティブなことも、ネガティブなことも。
しかし、法律があることにより余計な心配事はせずに生活はできる。
例えば自分の大切なものを盗まれるかもしれないが、もし盗まれたとしても警察に通報すればそれなりの対応をしてくれることは知っているし、それが抑止力になることも知っている。
なので普段から”自分の大切なものを盗まれたらどうしよう?”と余計な不安を抱くことなく生活ができる。
例えが雑かもしれないが、このようなイメージである。
前置きが長くなったが、余計な不安・不信・不快を抱かせないために規則を作り周知させることが重要だと思う。
そのため私が一番最初に行った、人事としての仕事が就業規則の改訂とルールブックの創設である。
よくルールブックについて下記のような批判がある。
「あんな細々したものは誰も読まない」
「ルールが多くて混乱するので簡素化するべき」
これらの批判は良くわかるし、理解もできる。それでも私は責任者として、これらの意見に理解を示すが受け入れることはしない。
規則・ルールがあることが大切であり、同じ事案の時に同じ対応・指導・懲戒処分等が行えることが大切である。反対に上司が変わるたびにルールが変わったり、リーダーが言ったことがそのままルールになったりする、このようなチームでは
「何が良くて何がいけないのか分からない」→不安
「なぜこの前まで良くて、いきなりダメになるんだ」→不快
上記のような状況が続くと、上司を信用できなくなり不信につながる。これらが連動して生じてくると不満足が形成される。
ルールが多くて混乱するというが、我々が普段生活する上で民法が多くて混乱することはないと思う。その時、しっかり対応がとれることが重要である。
採用基準の明確化
次に行った仕事は採用基準の明確化である。
採用については数多くの書籍があるし、ネットで調べるとそれらしい情報がたくさん出てくる。
私が重要だと考えていることは、”採用してはいけない方を確率高く判断すること”である。そのため上記で綴った採用基準であるが、採用する基準を作成したのではなく、不採用の基準を作ったに過ぎない。
採用に関しては簡単に言えば、現場と役員レベルの多数決である。
取得できる情報は取得し、客観性の担保が確率を上げる唯一の策であると考えている。
続く
次回は教育と育成について考えていきたいと思う。
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