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Amazonや Indeedを経てモノタロウへ。“経営インパクトの大きい技術”を追い求めるエンジニア

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。

売上高は過去10年で約9倍、営業利益は12倍。急成長を続けるモノタロウでは、さらなる事業成長を見据えEC基盤の刷新を進めています。

なかでも、モノタロウのサイト体験に欠かせない「商品推薦サービス」のマイクロサービス化に携わるのが、ECシステムエンジニアリング部門EC基盤グループマイクロサービス基盤チームのエンジニア、伊東さんです。

より「経営インパクトの大きい仕事」を求め、モノタロウを選んだ彼。前職までの経験や入社のきっかけ、モノタロウで取り組む仕事について話を聞きました。

インフラエンジニアが経営インパクトの大きい技術に関心をもつまで

──はじめに、現在の業務について教えてください。

DIFと呼ばれるデータパイプラインの運用や、商品推薦サービスのインフラ運用が主な役割です。SLOを運用しながら、リリースサイクルとインフラの安定稼働を目指しています。

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──これまでのキャリアでも、主にインフラ業務に携わってきたのでしょうか?

基本はそうですね。大学でも分散コンピューティングを専門に学び、卒業してから数年間はインフラ・ネットワークエンジニアとして、システム開発やサーバーの設計に携わりました。その後、外資系のEC企業に転職してからも、業務の中心はインフラ業務でしたね。

ただ、ここ10年はAmazonやIndeedで検索エンジンに関わったこともあり、データサイエンス領域にも興味を持っています。

使っていた言語も、キャリアの当初はシェルスクリプトやPerl中心でしたが、最近はPythonを使うことが多いです。

──ネットワークやインフラから検索エンジンに携わるきっかけは、どのようなものだったのでしょう?

割と成り行きでしたね。2010年頃、Amazonが日本に検索エンジンの開発・運用拠点を置くため、バイリンガルのエンジニアを探していました。日本に拠点があれば、米国の夜中にトラブルが起きたときに対応しやすいですから。

僕は10歳の頃、父が海外転勤になったことから英語環境で教育を受けており、進学先もカナダの大学の工学部でコンピューターエンジニアリングを学んだことから、「エントリーしてみないか?」と声をかけてもらいました。

膨大なユーザーを抱えるサービスで、技術的に極端な負荷がかかってもスムーズに動く検索エンジンの開発は、自分の技術面での成長に大きなプラスになると思いました。また、検索エンジンはAmazonのサイト体験の中心となりますから、経営にもインパクトの大きい仕事ができるのではないかと。

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(Palo Altoにある検索エンジンチームのメインオフィスで行われた入社後研修時の写真)

──経営にも貢献する仕事ができるかどうかは、キャリアを選ぶ上で、常に重要視してきたポイントだったのですか?

いえ、経営サイドに関心を持つようになったのは、Amazonの前に携わっていた外資EC企業での経験からですね。

その会社は事業立ち上げ間もないスタートアップ企業だったのですが、サイトで実装していた支払いシステムでは、売り上げが立ってから会社に入金されるまで2ヶ月ほどラグがあったんですね。これは、事業拡大のためのキャッシュフローが重視されるスタートアップとしては時間がかかりすぎるという問題があったので、1週間で入金が完了する早期決済サービスに変更するというのをエンジニアサイドから提案、実装しました。その結果、売上を事業拡大の資金にするためのスピード感あるサイクルが実現化され、経営にも良い影響がありました。このレベルでビジネスの拡大に貢献するようなことがそれまでになかったので、非常に面白い経験でした。

経営との距離の近さ、データドリブンな意思決定に惹かれた

──Amazon在籍中の2012年から、東京工業大学で技術経営を学ばれていますよね。経営インパクトのある技術への興味からだったのでしょうか?

そうですね。2社ほどEC企業に携わるなかで、経営サイドもエンジニアサイドも「こうしたらうまくいく」といった戦略や手法を見出すのに苦労しているなと思って。アカデミックではどういう研究がなされているのか興味を持ったんですよね。

実際に入学する前にオープン講義に参加して、客観的なデータに基づき経営戦略を構築している様子が伺えて。これなら再現性のある戦略や手法を学べそうだと思い、入学を決めました。

結果的に、モノタロウを知ることになったので、入学を決めたのはキャリアにとって大きな転機でしたね。

──大学院の授業がきっかけだったんですね!

正直、国内のEC企業で、経営的に大きく成功している新しい企業は少ない印象を持っていたので、「なぜ右肩上がりで事業が伸びているんだろう?」と興味を惹かれました。実際に中の人になって成長の要因を知りたいな、と。以前勤務していたEC企業は、有力なシリアルアントレプレナーが起業し、スターエンジニアや経営陣を集めましたが、そんな恵まれた条件であっても思い描いたような成功は達成できませんでした。こういったことから特にモノタロウの持続的な成長やどうして成功できたのかについて興味が湧いていたのです。

──転職をしてまで中の人になるのは割と大きな決断だと感じたのですが、どのような理由があったのでしょう?

一つは、面談で話を聞くなかで、マイクロサービス化など経営インパクトの大きいプロジェクトにも携われそうだと感じたことですね。

やはり外資系の巨大IT企業ですと、開発拠点は本国側にありますから、サービスのコンテナ化などの重要なプロジェクトに、国外の拠点から関与するのは難しい場面もあります。

モノタロウも、開発拠点は関西(梅田サテライトオフィス)と東京に分かれていますが、場所による不均衡はありませんし、東京オフィスの従業員であっても、尼崎本社のプロジェクトに参加できます。経営数値や戦略などの情報も透明性高く共有されているので、経営に貢献できる仕事ができそうだなと。

あと、あらゆる意思決定をデータをもとに行うというカルチャーも魅力的でしたね。それまでのキャリアのなかでも、どれだけ大変な開発であれ経営的なインパクトなどが数値的に示されていれば、納得して取り組めたので。自分自身も納得して働けるはずだと感じました。

事業成長を下支えする、マイクロサービス化でのチャレンジ

──実際にモノタロウに入社して、経営インパクトのある仕事には取り組めていると感じますか?

それは感じますね。例えば、直近のプロジェクトで商品推薦サービスの内製化、マイクロサービス化に携わりました。商品推薦サービスは、専門性が高く膨大な商品を扱うモノタロウにおいて、顧客に適切な商品を届けるための重要な機能。更なる商品数や顧客数の増加に対応できるアーキテクチャへの移行は、サイトでの体験向上や事業成長においても重要です。

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技術的にも、既存サービスを内製化し、かつマイクロサービスに移行するのは興味深いですね。既存サービスをただ分割するのではなく、機能ごとにサービスの構成から再構築しようとしている。モノタロウにはマイクロサービス化の経験豊富なエンジニアも多く、非常に洗練された取り組みができていると感じます。

──技術的な面でやりがいを感じる仕事などはありますか?

商品推薦サービスに関連したデータの設計ですかね。モノタロウの扱うデータって、価格やブランド、税率など、データによってテーブルが分散しているんですね。かつ同じデータをカラム上に持ったテーブルも複数存在している。そのため、商品ページで同じ価格のデータを参照しているのに、直接の参照先は異なるといった事例も起きていました。

こうした複数にまたがり、複雑に絡んでいるデータを、綺麗なまとまりとして扱うにはどうしたら良いのか。データを設計することに今取り組んでいます。

元々関心のあったデータサイエンス、データエンジニアリングの領域を探究できているので、知的好奇心が刺激されますね。

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──技術的なやりがいの他に、カルチャーなどの面で、モノタロウに入社してみての感想などはありますか?

相手に対して、敬意をもってコミュニケーションする人が多いですよね。行動規範にも「他人への敬意」が単にあるだけでなく、日々実践されていると感じます。

以前はどちらかというと、強く自己主張しなければいけないカルチャーで働いていたので、余計に違いを感じるのかもしれませんが、自分にとってはモノタロウが働きやすいです。

──最後に、これからモノタロウでチャレンジしたいことがあれば教えてください。

データ分析やアルゴリズム開発ですね。データから経営課題の解決に大きく貢献するインサイトを発見できるような技術を身につけるのが目標です。いずれはモノタロウのデータサイエンスグループにも関われたらと思っています。目標への進捗率でいうと、20%ほどですかね。今後も着実にステップアップしていきたいです。

──ありがとうございました!

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