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変革し続ける顧客フルフィルメント。RPA化を通じ、イレギュラーを乗り越える強い組織を目指す、モノタロウ10年目社員の挑戦。

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。

「顧客フルフィルメント※1のサービスレベル向上」をミッションに、お客様と配送会社・サプライヤの架け橋となりお客様のお困りごとを解決している業務グループ。

※フルフィルメント
主にECやカタログ通販、TVショッピングなどにおいて、注文受付・問合せ対応から決済、在庫管理、物流(ピッキング・梱包・配送)、アフターフォロー(サポート、返品・交換対応など)までの一連のプロセスのこと

https://www.k-evolva.com/glossary/fulfillment/

フルフィルメントの向上と共に、いま力を入れ取り組んでいるのが、コンタクトセンターの生産性改善です。本日は実際にRPA・システム導入を牽引している、業務第1グループマネージャーの藤田さんにお話を聞きました。

※業務グループはオーダーマネジメントの機能を担うグループです。2021年に「OMグループ」より改称され、「業務グループ」となりましたが、本記事ではわかりやすさを重視し、旧組織名称を使用することとします。

■現在の藤田さんのお仕事内容を教えてください

OMグループでは、お客様からの納期やご注文の内容に関するお問い合わせや、サプライヤ様からの連絡事項を調整し、正確な納期でお客様に商品をお届けできるようフルフィルメントプロセスの改善に取り組んでいます。
私の所属する業務(OM)第1グループは、サプライヤからの在庫情報や商品廃番などの情報を受け、データを修正しお客様にお伝えする役割を担っています。私はグループ長としてスタッフマネジメントや、サプライヤ様との交渉や打ち合わせ、RPA(※ロボティックプロセスオートメーション)を活用した業務自動化の推進を担当しています。

■モノタロウに入社されてからの10年間で担当されてきたお仕事についても教えてください

モノタロウへは2013年に新卒として入社し、10年間で様々な業務を経験しました。
初期配属はカスタマーサポート部門の商品問合せグループでした。「この商品はどういった機能を持っているのか」「この商品はどういう場面で使えるのか」といったお問い合わせへの回答を行い、その過程で商品知識を身に付けていきました。

翌年の2014年に部署異動があり、商品部門の販促企画担当として年2回のカタログ発刊に合わせた担当カテゴリのページ作成や商品選定を行いました。カタログ制作においては、お客様に購入していただくためには、掲載情報の取捨選択が重要です。「その商品の魅力はなにか」「ほかの商品とどう違うのか」といった商品の売り方・見せ方というところを学びました。

それから4年後の2018年には、同じ商品部門の採用担当へと異動しました。
これまでは既存商品をどのように売るかを考えていましたが、新しく何をいくらで売っていきたいのかを考えるのが商品採用です。バイヤーとして新しい取引先(サプライヤ)の開拓や新規商品の採用などを行い、ここで初めてサプライヤ様との社外交渉を経験しました。

それから2年後の2020年の12月に現在のカスタマーサポート部門 OMグループに異動となり、2021年からはグループ長として、マネジメントを行っています。

■様々な仕事を経験しカスタマーサポートにまた戻ってこられ、業務にあたる気持ちの部分で変化はありましたか

商品部門時代の私の仕事は、どの商品を売るかを選び、データを登録するまでで、その後は売上データを数字として見ることが多かったです。自身が採用した商品に対して、社内のどのような人たちが関わってお客様の元へとお届けされるのか、表面しか見えていなかったなと思います。

実際のところ、商品がモノタロウのWEBサイトに掲載され、お客様にご注文いただき、最終的にお客様の元に届くまでに様々な調整が発生しています。私がいつも見ていた商品の売上はこういったプロセスを経たうえで成り立っているのだと改めてわかった時は驚きましたし、仕事内容の違いも含め衝撃が非常に大きかったです。
OMグループでの現在の仕事を経験したことで、より手触り感をもってお客様や商品やサービスに関わることができていると思います。

■複数部署での業務経験を仕事に活かせていると思われるのは、どういったところでしょうか

モノタロウのビジネスプロセスや社内のシステムなどを俯瞰して、業務オペレーションの改善などが出来ていると感じています。OMグループとして行っていることの一つに、サプライヤ様との定期的なMTGの実施、それによる納期・発注関連の改善があります。
バイヤー時代の経験から、サプライヤ様側の業務時間軸や新しく採用した商品の登録フローの見当がつきますので、前提を踏まえた上でこちらから働きかけるようなコミュニケーションを取ることが出来ています。

■話は変わりまして、OMグループで取り組んでいることの一つに、サプライヤ向けのEDIを導入されていると聞きました。詳しくお伺いできますでしょうか

モノタロウが扱う商品点数は1900万点、数千社ものサプライヤ様とのやり取りがあります。サプライヤ様の発注管理は当初メールやFAXで行っていましたが、EDI(※Electoronic Data Interchangeの略称。企業間取引において交わす発注書等の帳票をインターネットを用いて電子データとしてやり取りするシステム)でコミュニケーションをとることで、お互いの確認オペレーションをWEB上で行い、サプライヤ様からの納期や廃番・後継品の回答リードタイムの短縮を目的としています。

弊社が導入を進めている「MOSNET-WEB」はモノタロウが自社開発したEDIで、初期導入費用不要で利用いただけます。こちらを使用することで、サプライヤ様への発注、サプライヤ様からの納期回答などをWEBブラウザ上で確認・連携することができます。
MOSNETは現在、弊社とお取引のあるサプライヤ様のうち、約68%でご活用頂いており、 残りはFAXでのやりとりを行っております。
サプライヤ様各社のご協力もいただきながら、時代に即した手段で納期回答リードタイムを短縮する、応対品質の改善をするなど、お客様の満足度向上に繋げていくことを目指しています。
また、MOSNET-WEBについても、IT部門の協力をいただきながら機能追加・利用拡大を進めています。

■顧客フルフィルメントの向上に向けたオペレーション改善の取り組みの一つということですね。RPA拡大もその一つかと思いますが、取り組むことになった背景は何だったのでしょうか

当時は新型コロナウイルスの感染拡大から1年が過ぎた頃でしたが、サプライチェーンの混乱は依然として継続しており、供給や納期が不安定でお客様へのお届けも遅延することが増えていました。イレギュラーな対応が日々発生し、業務量も増え、現場のオペレーターの方々が疲弊している状況でした。

コロナ禍により世界的に混乱している中でOMグループとしてできることはなにか。お客様に対しては、受発注をいかに早く処理し、正しい納期情報を素早くご案内すること。
社内に対しては、フロントラインで奮闘いただいているオペレーターさんたちの負荷を削減することだろう、という考えに辿り着きました。
オペレーションの生産性を向上させながら、負荷を減らしていく為にRPA拡大に着手し始めました。

■まずはどのようなことから取り組んでいかれたのでしょうか

当時私には何も知識がなかったので、まずはRPAに関する社外の研修会に参加してノウハウを学ぶところからスタートしました。
次に、オペレーション対応に時間を有しているプロセス(たとえば、納期が未定になってしまった時の対応など)を洗い出していきました。

私が異動してきた当時、業務件数の40%は自動化されていたのですが、まだ人の手を必要とする業務も多く残っていました。発生頻度が高い業務や処理に時間を要する業務がまだ残されており、その中から自動化することで大きく業務工数が削減できそうな工程を選定していきました。

■施策を進める中での難しさはどういったところだったのでしょうか

RPAを使って自動化すればもちろん作業は楽になりますが、今度は自動化処理の管理負荷が発生します。また、RPAを使って処理するにもライセンス上の制限が存在しています。社内全体で割当できる時間あたりの処理量が決まっており、RPAをただ増やしていくとリソース不足に陥り、結果として処理自体が遅くなってしまいます。
ですので、直ちになんでもRPA化すればいいという話でもありません。

そういった状況下で、最小のリソース消費で最大のパフォーマンスを発揮できるように、どの工程をRPAにのせればいいか現状把握と優先順位決めを進めていく。このあたりが難しさとしてあります。

■OMグループの仕事の中で感じるやりがいとはどういったところでしょうか

人の役に立ち、そしてその結果を間近で見られる、というのがこの仕事のやりがいだなと感じています。
お客様やサプライヤ様、そして一緒に働く同僚……この仕事は非常に多くの人々と関わりを持ちます。またモノタロウの顧客サービスの最前線で、私たち自身が行った改善の効果を実感としてもデータとしても確認できます。
例えば、発注の仕組みを見直せばサプライヤ様や社内のオペレーション負荷を減らすことができ、それを受けて「仕事がすごくやりやすくなりました」と反応をもらえた時はやはり嬉しいです。

もちろんこういった改善は、自グループだけでどうにかしていくのは難しく、サプライヤ様や配送会社様、社内のサプライチェーンマネジメント部門や商品部門、物流部門のメンバーと協力しながら、新しいプロセス・仕組みを構築していく必要があります。
これからもお客様に対してもより良い購買サービスを提供できるよう、一丸となって取り組んでいきます。

■これから目指したい姿について教えてください

事業成長に伴い人や拠点が増え変革期であるいま、イレギュラーな事案はどうしても発生します。多くのお客様に価値を提供できているからこそ会社が成長でき、会社が成長しているからこそ挑戦があり、イレギュラーがあるのだと前向きに受け止め、イレギュラーを乗り越えていける強い組織を目指したいです。
会社の成長に伴い業務が増加し、これまで通りのオペレーションでは回らないかもしれない、という課題を抱えるのはOMグループに限らず、モノタロウの他のグループにも起きている問題です。

各グループの改善活動の良いところを活かし、それらを収束・展開していくことで部門全体の生産性を飛躍的に向上させることが可能となります。
RPAに関して言いますと、すでに経理やバイヤー、発注マネジメントなどのグループに利用いただいておりますが、より多くの部署にRPAによる業務改善を広めていきたいです。
また、サービスレベルの向上を目指すため、グループの枠組みを超えて顧客の声を分析・検証し社内に発信していくことで、更に満足度の高い顧客体験を提供できる仕組みを構築していきたいと考えています。

■カスタマーサポート部門に興味がある読者の方々へメッセージをお願いします

カスタマーサポートの面白さはEC企業でありながらもお客様の声に直接触れることができる点にあります。お客様の声に直接触れ、ご意見を受け止め改善を進めていくことは、他には代えられないやりがいと面白さがあります。
特にモノタロウはあらゆるデータの蓄積があるので、それを使っての分析や検証が行いやすく、自ら改善をリードしていくことができます。
「他者への敬意」が浸透しているモノタロウなら、自ら動いていく人を皆がサポートしてくれます。より良いフルフィルメントサービスをこれから自分の手で作っていきたい、という気概がある方と一緒に働けることを楽しみにしています。

ー本日はありがとうございました!

モノタロウのカスタマーサポート部門では一緒に働く仲間を募集しています!