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曙太郎死去

先日、曙太郎さんが亡くなられた。若いひとは知らないかもしれないが、外国人として初めて横綱になった人物だ。おじさんの僕としては大相撲ブームを牽引した一人だ。

若貴ブームというのがあった。若乃花と貴乃花(当時は若花田、貴花田だった)という兄弟が時代を牽引したのだ。当時は日本のプロスポーツといえば相撲と野球ぐらいしかなくて、その次にラグビーかなと言ったぐらいだった。運動に才能のあるひとは野球と相撲に二分されていた時代なのだ。

その中で若貴ブームのおかげもあり相撲に才能が集中し、本当に相撲が面白い時代だった。貴乃花が千代の富士という絶対的横綱を引退に追い込んだ。僕は千代の富士が本当に好きだったが貴乃花という次世代の力士に負け引退を決意したと言われている。しかも、貴乃花の父である初代貴乃花を引退に追い込んだのは千代の富士だったのだ。そういった流れもあり、以前にも記事で書いた貴乃花対寺尾という寺尾関が18の若造に負けるかいと挑んだが、寺尾は負けてしまうのだ。帰る花道で下りを投げつけたり暴れまわっているのが全国に生放送されNHKにクレームが殺到したと言われている取り組みがある。
大きい流れで見ても、一つ一つの取り組みを見ても面白い時代だったのだ。小学生だった僕は相撲をやっている時は毎日のように見ていた。今ほど録画がメジャーではないし、配信もないので、生放送とその日の夜の大相撲ダイジェストを見ていたものだ。

若貴ブームとはいうもののここまで人気になったのはサイドのキャラクターが揃っていたのだ。曙、武蔵丸、貴闘力、寺尾、舞の海など。いろいろなタイプの力士がいた。その中で曙という2mから身長があり、200kgという圧倒的大きさの力士がいた。この圧倒的強敵がいたから若貴ブームがあったのだ。貴乃花も決して小さくはないのだが相対的に小さく見える。その戦いが面白かったのだ。勝つこともあるがもちろん負けることもある。もうそこには友情、勝利、努力のような少年漫画のような要素が大いに詰まっていたのだ。そして、なぜか日本人は小さい側が頑張って勝利するという構図が好きだ。それをリアルで体現しているみたいな内容だったのだ。

今が悪いとかそういうことではなく、本当にひと昔前の相撲は面白かったのだ。僕は相撲が好きなので、またあのような盛り上がりが見れたらいいなと思っている。

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