哀しかったこと

               ~ 飲みたい気分だけどお酒がない! ~

                              ゆきひら

 ここに入職した頃から、施設長、つまりここの経営者が部下に慕われていないということはすぐに分かりました。誰も彼と目を合わせて話そうとしていないからです。

 頼りにならない経営者なんだろうな、と思ってはいましたが、月日がたつつれ、やはりその通りなのだなと思っていました。

 今日はこちらに大した用事はなかったのですが、何か話したそうに、施設長から近づいてきたので少しお相手して差し上げました(笑)

 近所にナーシングホームが建ったので、その話でした。こういったナーシングホームには、施設内を巡回する訪問看護ステーションが入っているんです。そんなことを話すと、施設長が言いました。
「だったらここのステーション、そこに売ろうか?」

(はぁ??)

 経営者にもいろんな考えの方がおられるんでしょう。当施設の経営者にとって、施設は切り売りできる、土地のようなものと考えていることがよく分かりました。

 彼の台詞に落ち込みましたが、仕事に集中して忘れようとしました。しかし、帰宅時間になっても気分は晴れません。沈んだ心持ちのまま帰らなければならないのか… と思っていたときです。「持って帰って!」と言われていたものがあることを思い出しました。

 ミモザです。黄色い、小さな丸っこい花を一杯つけます。細長い小さな葉もたくさん茂らせていて、花束にすると素敵です。黄色い花って、見ていると元気になりますよね。これを抱いて家路につくと、少し幸せな気分が戻ってきました。

 明日はお休み。ミモザを眺めて、しっかりよく寝て、そうして元気を取り戻そうと思います。good night!

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