今年も続くエルダードラゴンのベイビーブームに第三将軍苦い顔

 竜の国から今年もまた嬉しい知らせが届いた。今年、8匹のエルダードラゴンの雛が生まれたと発表。8匹は過去最大とも呼べる数字で一昨年から続くベイビーブームによって計23匹のエルダードラゴンが誕生した。竜の国外交官長のナーガ・イキシトリュウ・リューハァ・オジル氏はこの空前絶後のベイビーブームに「これは大変喜ばしいこと。600年、700年後の未来を担う彼等は国の宝である」と話す。「しかし、一方でこの類を見ない多数の子ども達にきちんと等しく伝承や知識を伝えていけるのかどうかが心配。教育格差には気を付けていきたい」ともコメント。長命種らしい心配に会場は和やかな空気になった。

 このベイビーブームにドラゴン専門家のロン・ダイコノミィ氏は「今回のベイビーブームは国家の形成によって種が人為的に集まったことが背景にあるのでは」と話す。「ドラゴンという種は非常に長命かつ強大であり、エルダードラゴンはその頂点にいる種。そういった強者は子供の数は少ない傾向にあるのに対し、今回は23匹も生まれている。これは何かの凶兆の可能性もあるかもしれない」と不安もコメント。

 そういった不安の声に乗じてか、帝国騎士団第三将軍クニシュゴガ・シュメイ氏は「伝承によればエルダードラゴンは厄災と対等に渡り合った存在であり、そんな存在が新たに23匹も生まれてしまった。我が国の防衛力を高めるとともに、竜の国への牽制も考えていくべきだ」と苦い顔で話す。200年と続く我が国と竜の国の同盟にヒビを入れかねないコメントに国民から強い非難の声があがっている。


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