山下清と空飛ぶ円盤

 今から20年ほど前、自分がウェブ上でちょこっとUFOの事を書き始めた頃、「山下清画伯ってUFOのスケッチを残しているんですか?」と聞かれた事があった。

 そんな面白い話があれば、UFO第一世代というか、荒井欣一さん達が調べていておかしくない。あるいはその後判明したとしても、『UFOと宇宙』あたりに載って、知られていそうなのだが。

 いや、そもそも、山下清画伯はスケッチを基に作品を作っていくタイプの画家ではなかったと思う。
 旅先で何かを見ている時は見ることに夢中で、帰ってから(強烈な記憶力を基に)作品を作ると聞いた事がある。

 なぜ山下清画伯がUFOのスケッチを描いた話が出てきたのか?

 この疑問は自分と当時交流のあった人から送られたビデオテープで氷解する。
 テレビドラマ『裸の大将』の一本として、山下清画伯が三重県の二見浦で空飛ぶ円盤を目撃し、スケッチする話が作られていたのであった。その後山下清画伯(雁之介はんなのだが)は宇宙人と遭遇する。

 何だそれは。

 いや、花王名人劇場枠で放送された『裸の大将放浪記』は自分も知っていたのだが、山下清画伯が亡くなる話で終わりだと思っていた。実際には半ば無理矢理みたいな形で続編が作られていたのだった。

 しかしまあ、山下清画伯の放浪時期のギリギリ最後の頃である1955年には、空飛ぶ円盤もかなり話題になっていたので、ドラマのスタッフもよくこの組み合わせを考えたものだと思う。

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