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1969年の古典的全翼機

 またもJeff Knoxさんからの、奇妙なUFO報告の話である。


 元記事は「Saucers, Space & Science, No. 58」との事で、UFO研究会の機関誌のようなものなのだろう。

 1969年10月11日夜、カナダのケベック州マードックビル在住で、ガスペ銅鉱山株式会社の従業員であるドナット・フランシスとロナルド・マリンは恐るべき体験をした。

 当時彼らは本工場から約 3 マイル、マードックビルから 2 マイル離れた場所にある濃縮廃棄物処理ダムで、いつも通りの作業に従事していた。

 事件は午前12時20分、2人の深夜勤務中、鉱滓ダムの上岸に沿った放流パイプラインの巡回点検の際に発生した。

 マリンは、最初にこの現象を見たときは流れ星だと思ったが、その光る物体の動きを見てすぐに考えが変わったと語った。

 フランシスはマリンから約800m離れた地域で働いていた。フランシスが船外機がフルスピードで回転する音に似た騒音をうるさく感じ、音のする方向を見ると、200フィート上空に約10メートルほどの明るい物体を目撃した。

 それは彼に向かって近づいているように見えたので、フランシスはパイプラインの後ろに身を投げ、その過程で安全帽とヘッドランプが落ちたと語った。

 物体は彼がいた場所に非常に近づき、ダム周辺を数回旋回してから東に向かった。物体がダム付近から離れてしばらくすると、物体の動力源が長い青い炎を吐き出すように見え、物体は急激に速度を上げて近くの山々の背後に消えた。

 フランシスの説明によると、物体は半月状の形をしており、前方に青い風防、後方にプロペラのようなものが付いていたという。しばらくの間、それはただ宇宙に浮かび、前方に進む流星のように見えた。 

 2人の男性が、物体が東の方向に飛び去り、それが高速道路を越えて行くのを目撃したのとほぼ同じ頃、鉱滓ダム付近のマードックビル・ガスペ高速道路を、グランデ・ヴァレに向かっていたヴェレ・コート氏の車の周囲を、突然、明るい青い閃光が照らした。

 ガスペ半島の住民も同様の経験を報告している。

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 この目撃における未確認飛行物体のイラストを描き起こしたのは、ジーン・デュプランティエという人との事である。

 しかし、本当にこれが1960年代終わりに目撃されたUFOなのか? という感じの形状である。
 これが1947年であるとか、せいぜい1952年頃だったならば、プロペラの付いた全翼機型のUFOというのもありだ。
 それはまだ秘密兵器説が幅を利かせていた時代だからである。その時代のUFOには全翼機型もあり、ジョン・ノースロップがそんな飛行機を試作していた訳であるし。

 1969年となれば地球外生命体起源仮説の時代である。地球外からプロペラ付きの乗り物で来るとは思えないだろう。

 とはいえ、こんな「収まりの悪い」事例もまた、時々見かけるものなのである。

 

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