昭和の「子供向けと限定しない特撮番組

 今となっては昔の話という事なのか、その昔、1960年代、70年代ぐらいには「子供向けと限定しない特撮ドラマ」を作るのは大変だったというような話を聞いた。

 しかし大人だって荒唐無稽な話は好きだ、そもそも最初の『ゴジラ』は(映画だが)子供向けではない。

 時代劇だと荒唐無稽でも普通に受け入れられていたようで、時代劇でも『子連れ狼』等はもはや「特撮もの」と言って良いと思う。『必殺シリーズ』にも特撮はあったし、もう少し後には『猿飛佐助』も作られた。

 海外の映画だが、『007シリーズ』はかなり受けが良かったので、スパイアクションもののテレビシリーズは他にも作られた。だいたいそれらも海外のものであるが、『スパイキャッチャーJ3』は日本で作られている。

 江戸川乱歩の『パノラマ島奇譚』のように、「これ、007の悪役じゃん」と個人的には思える原作も日本にはある。これは『美女シリーズ パノラマ島奇談』として1982年にはドラマ化されている。

 また『海底軍艦』のように、当時の大人(の一部)が少年時代に読んだであろう空想科学的な話をドラマにすれば良かったのではないかと個人的には思うのだが、それは無かった。(『海底軍艦』は映画はあった)
 大人向けとして失敗したと語られる事のある『マイティジャック』は元は『海底軍艦』のドラマ化と聞いた事があるが、全くの別物になっていた。

 夏目雅子版と言われる『西遊記』とか、石原プロによる『西部警察』は成功例と言って良いと思う。

 そういえば『日本沈没』のドラマもあった。

 多分この時代、「架空戦記」にはまだ早かったんだろうとも思う。宇宙ものもまだうまく取り入れる事ができなかったようだし。『宇宙からのメッセージ 銀河大戦』や『スターウルフ』も話の内容としてそう悪くはないんだけど、当時の大人が観たかというと、ちょっと違う。

 もしかしたら、『トラック野郎』の宇宙版とか、小惑星を根城にした日本軍的衣裳のならず者部隊が宇宙戦闘機「シンデン」で活躍するような話ならば、うまく作られたのかと妄想するだけである。

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