レースコメディ雑考


 レース映画、特にドタバタものについて考えてみたい。

 まず思い付く『グレート・レース』(1965)は『80日間世界一周』等のオールスターもの(って言うのかな)が流行った時代につくられている。
 これ、自分が子供の頃にテレビで観たような記憶がある。もっとも、あまり覚えていない。ジャック・レモン演じるフェイト教授は悪役で怪しい発明家だが、家には「フェイトのバカ」とか落書きされている。なんかアニメ『名探偵ホームズ』のモリアーティ教授のイメージがダブる。

 レースものだから、メカが出てくる訳だが、人力の飛行船に乗ったり、大砲のあるメカに乗ったりしていた記憶がある。

 これ、リメイクされているような気がするのだが、そちらは見つけられない。

 これが影響を与えたとされるのがテレビアニメ『チキチキマシン猛レース』(1968 日本では1970)である。悪役はブラック魔王と飼い犬のケンケン。
 絶対勝てそうな「ゼロゼロマシン」で戦うが、毎回妨害工作が裏目に出て負けてしまうのがお約束。
 他のチームもその辺の岩からできた「ガンセキオープン」とか走るお化け屋敷「ヒュードロクーペ」とか、底抜けな連中で、以前書いた『トムとジェリー』同様再放送が多かった。

 この2作品はまた、テレビアニメ『タイムボカン』(1975)に影響を与えたとされる。『タイムボカン』のもとは「ミニカーを売るためのレースもの」だったらしい。
 この『タイムボカン』は「お宝アイテムを巡っての善悪の争奪戦」となり、シリーズ化されて行くのだが、制作したタツノコプロは『マッハGoGoGo』(1967)を作った事もあり、レースコメディでも充分いけたのではないだろうか。

 そのタツノコプロによるレースコメディアニメが『飛びだせ!マシーン飛竜』(1977)、スーパーカーブームという絶好のタイミングで放送された。
 悪役で(当然?)妨害もするのが「ゼニゼニチーム」、しゃべる犬ナターシャもいる。「毎回メカが違う」とか「女ボスと大ボス」とか「おしおき」という『タイムボカン』シリーズで好評だった要素も取り入れられたが、放送期間は短かった。
 自分のいた地方では夕方に放送されていて、エンディングテーマも結構印象に残ったんだけどな。

 その後レースコメディ映画はまた作られる。アメリカ香港合作の『キャノンボール』(1981)である。出演がバート・レイノルズ、サミー・デイビス・ジュニア、ディーン・マーティン、ロジャー・ムーア、ジャッキー・チェンとまあ、オールスター映画かなという作りであった。
 一応バート・レイノルズと相棒(キャプテン・ケイオスに変身する)が主役。ジャッキー・チェンとマイケル・ホイが「日本人コンビ」(っておい)で確かレース出場前には「日本で作られた特番に出演するシーン」まであった。

 好評だったのか続編『キャノンボール2』(1984)も作られている。


追加 『激走!5000キロ』(1976)もコメディだったか。テレビで観てはいるけど、あまり覚えてなかった。確かにラストの干上がった川での激戦は燃えるが、ウィリーでずっと走るバイクや、「クルマはいいなあ」と言う人等コメディ要素はあったのを思い出した。


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